パルヴィーズ (ムガル皇子)

パルヴィーズ（1586年10月12日 - 1626年10月18日）は、ムガル帝国の第4代皇帝ジャハーンギールの次男であり、第5代皇帝シャー・ジャハーンの兄にあたります。

1586年、パルヴィーズは皇帝ジャハーンギールの息子として誕生しました。彼の兄であるフスローは、父帝に対して反乱を起こし、その結果として捕らわれの身となっていたため、パルヴィーズは他の兄弟たちと共に帝位後継者候補の一人として見なされるようになりました。

しかし、1626年10月18日、パルヴィーズは父帝よりも早くブルハーンプルで亡くなりました。彼の遺体はアーグラに埋葬されました。

パルヴィーズの生涯は、ムガル帝国の帝位継承を巡る複雑な権力闘争と深く関わっています。兄フスローの反乱は、帝位継承の安定を揺るがし、パルヴィーズを含む他の皇子たちに帝位を狙う機会を与えました。しかし、パルヴィーズ自身は父帝に先立って亡くなったため、帝位に就くことはありませんでした。

パルヴィーズの死後、ムガル帝国の帝位は最終的に弟であるシャー・ジャハーンに引き継がれました。シャー・ジャハーンは、タージ・マハルを建設したことで知られる名君であり、ムガル帝国の最盛期を築き上げました。もしパルヴィーズが長生きしていれば、ムガル帝国の歴史は大きく変わっていたかもしれません。

パルヴィーズの生涯は、ムガル帝国の皇子としての栄光と、帝位継承を巡る過酷な現実を象徴しています。彼の短い生涯は、ムガル帝国の歴史における重要な一コマとして、記憶されるべきでしょう。

参考文献
フランシス・ロビンソン 著、月森左知 訳『ムガル皇帝歴代誌　インド、イラン、中央アジアのイスラーム諸王国の興亡（1206年 - 1925年）』創元社、2009年。
アンドレ・クロー 著、杉村裕史 訳『ムガル帝国の興亡』法政大学出版局、2001年。

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