パレルモ (ブエノスアイレス)

パレルモ地区の概要

パレルモは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの北東部に位置する地区であり、ブエノスアイレス自治市のコムーナ14を形成しています。この地区は非常に広大で、15.9平方キロメートルの面積を誇り、ブエノスアイレスの中でも最も重要なエリアの一つとされています。周囲にはベルグラーノ、アルマグロ、レコレータ、ビジャ・クレスポなどの他の地区が接しており、東側にはラプラタ川が流れています。1991年の調査では人口が256,927人で、2010年には225,970人に減少しました。

歴史

パレルモという名前は、聖ベネディクト・ザ・ムーア修道院に由来しています。この聖人は1526年から1589年にかけてイタリアのシチリア州に存在したパレルモの守護聖人です。地区名の起源にはいくつかの説があり、特に16世紀後半にイタリア系移民のフアン・ドミンゴ・パレルモが土地を購入したことに因む説が有力です。今から遡ること1852年、ブエノスアイレス州の知事フアン・マヌエル・デ・ロサスがこの地に邸宅を建てましたが、彼が1852年にイギリスへ亡命したため、所有地は政府に没収されました。地区の開発は19世紀末から進み、特にドミンゴ・ファウスティーノ・サルミエント大統領のもとで整備が進められました。1874年にはパレルモの森やブエノスアイレス動物園、1876年には競馬場が開設され、1898年には植物園が設立されました。1948年にはホルヘ・ニューベリー空港も開港しました。

小区分と特徴

パレルモ地域は一つの地区として公式に地図に記載されていますが、実際には数つの小地区に分かれています。

パレルモ・チコとバリオ・パルケ

パレルモの高級エリアとして知られる「パレルモ・チコ」は、主にサン・マルティン通りとタグレ通りの間に位置しています。その隣にある「バリオ・パルケ」は、著名人や大使館が集まる居住地区で、風景設計が施された美しい街並みが特徴です。ここには、過去の豪邸が多く存在していましたが、現在は新たな高級住宅も建設されています。

アルト・パレルモとパレルモ・ノルテ

パレルモのダウンタウンとも言える「アルト・パレルモ」は、ショッピングセンターや交通の要所として賑わっています。一方、「パレルモ・ノルテ」は自動車クラブや博物館が点在し、住みやすい地域として知られています。

パレルモ・ヌエボ

新しいエリアとして位置づけられる「パレルモ・ヌエボ」では、多くの公園や文化施設が立地しています。特にフランスのブーローニュの森を模したパレルモの森は、市内最大の緑地として訪れる人々に静けさと安らぎを提供します。

ラス・カニータスとラ・インプレンタ

20世紀初頭には賃貸住宅が多かったラ・カニータスが、現在は高級住宅やレストランが立ち並ぶエリアに変貌しました。「ラ・インプレンタ」地区には歴史的な教会があり、文化的な価値を持っています。

パレルモ・ビエホとパレルモ・ソーホー

パレルモ・ビエホは最も古い地域で、特色ある建築様式が見られ、多くの移民の歴史が息づいています。対照的に、パレルモ・ソーホーは現代的なファッションや文化の中心地として人気を集めています。

パレルモ・ハリウッド

パレルモ・ハリウッドは、テレビおよび音楽制作の中心地として知られており、多くの賑やかなナイトライフスポットが集まっています。

交通アクセス

パレルモ地区は、ブエノスアイレス地下鉄のD線が通っており、数駅が設定されています。さらに、いくつかの通勤路線も利用可能で、交通アクセスが非常に便利なエリアです。

結論

パレルモは、歴史的背景、文化、現代的な発展が融合した魅力的な地区です。多様な小地区がそれぞれの個性を持ち、訪れる人々に新しい体験を提供しています。観光、ショッピング、食事など、あらゆる面で楽しめる場所が広がっており、ブエノスアイレスのハートを成しています。

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