パレンテソーム

パレンテソームは、担子菌門に属する特定の種において、細胞内に観察される顕微鏡的な構造体です。その形態が丸括弧（parenthesis）に似ていることから、この名前が付けられました。菌糸の中で細胞を分離する役割を持つ、たる形孔隔壁の孔の近くに位置しているのが特徴です。

パレンテソームの主要な役割については、まだ完全には解明されていません。また、その構造を構成する成分についても、未だ研究が進められている段階です。しかし、パレンテソームの形状には多様性が見られ、この多様性が担子菌の種を識別する上で有用な情報を提供することが知られています。

一般的に、パレンテソームは樽のような形状をしており、その表面は小胞体によって覆われています。この構造が、細胞内の物質輸送や細胞間のコミュニケーションにどのように関わっているのか、今後の研究による解明が期待されています。

関連項目

壁孔連絡

参考文献

Müller WH, Montijn RC, Humbel BM, et al. (1998). “Structural differences between two types of basidiomycete septal pore caps”. Microbiology (Reading, Engl.) 144 (Pt 7): 1721–30.
Moore, R.T. (1996). “V. The Dolipore/Parenthesome Septum in Modern Taxonomy”. In Sneh, B.; Jabaji-Hare, S.; Neate, S.M. et al.. Rhizoctonia Species: Taxonomy, Molecular Biology, Ecology, Pathology and Disease Control*. Springer. pp. 16–18.

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