パンター (アメリカンフットボール)

パンター（P）についての詳細

パンターは、アメリカン・フットボールやカナディアン・フットボールにおいて、スクリメージラインから直接スナップを受けて、パントキックを行う選手を指します。このポジションは特に第4ダウンで頻繁に見られ、時にはフェイクパントとして、パスやランに切り替えることもあります。主に自チームの攻撃が失敗し、陣地を回復するために登場することが多いので、チームが苦境にある際には特に目立つ存在となります。

パンターの技術的役割

パンターには高度なスキルが求められ、特に滞空時間、すなわちハングタイムと呼ばれるボールの空中にいる時間が重視されます。NFLでは、標準的なパント距離は42ヤードで、最低でも4.20秒の滞空時間が理想とされています。5秒を超える滞空時間のパントは特に評価が高く、リターナーにとっては難易度が増し、ファンブルを誘発する可能性が高まります。これにより、攻撃権を奪い返すチャンスが生まれるわけです。

コフィンコーナー戦略

「コフィンコーナー」は、エンドゾーンから5ヤード以内のサイドラインを指します。ここからパントキックが選手に触れることなくアウト・オブ・バウンズになると、相手チームがボールを手に入れる地点から攻撃が再開されます。この際、セイフティを奪われるリスクもあり、パンターは戦略的に重要な役割を果たします。

パンターの役割と多様性

パンターは陣地回復のためのパントキックを行う一方で、ホルダーとしてフィールドゴールを成功させるための役割を担うことも増えています。これまでは控えクォーターバックがホルダーを務めることが一般的でしたが、最近ではパンターがこの役割を担うことが多くなっています。また、フェイクフィールドゴールやフェイクパントプレーでは、パンターがパスを投げることもあります。このため、パンターはパスの練習も行う必要があります。

パンターのチーム内での位置づけ

パンターはボールを蹴ることに特化したポジションであり、チーム内でのキッカーとの連携が重要です。キッカーと技術を共有したり、キックに関する研究を行うことが頻繁にあります。

選手寿命と特徴

パンターは通常他のポジションと比べて選手生命が長いです。これは、フィールドでの立ち位置やタックルを受ける回数が少ないためです。過去には、ショーン・ランデタやジェフ・フィーグルスといった選手が長期間現役を続けた例もあります。ただし、選手寿命が長いため、新人選手が加入しにくい状況もあります。

パンターに関する記録

NFL史上、ジェフ・フィーグルスが71,211ヤードを記録し、これが目前の記録として存在します。彼は1988年から2009年にかけて5つのチームを渡り歩き、その記録を樹立しました。

ドラフトにおける位置づけ

パンターの特別な地位を示す例として、オークランド・レイダースのパンターであったレイ・ガイが挙げられます。彼はドラフトでの1巡目指名を受け、また殿堂入りも果たした唯一のパンターです。1970年代にレイダースが成功を収めたことで、パンターの評価が高まりました。

以上がパンターの概要とその役割、技術についての詳細です。これらの要素が組み合わさることで、チームにとって不可欠な存在であるパンターの役割が際立つのです。

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