パンツァーヴルフミーネ

パンツァーヴルフミーネは、第二次世界大戦中にドイツ軍が使用した対戦車手榴弾です。歩兵が携行し、手投げで使用することを目的として開発されました。その最大の特徴は、成形炸薬弾頭を搭載している点にあります。

構造と特徴

初期型のパンツァーヴルフミーネ（L）は、弾頭、鋼鉄製の弾体、木製の柄、そして安定翼で構成されていました。木柄の尾部にはねじ込み式のキャップがあり、これを外すと撃発用の紐が現れる構造は、柄付き手榴弾と同様です。投擲時に木柄を覆っていた4枚の安定翼が開くことで、飛行時の直進性を高め、目標に正確に衝突するように設計されていました。

後のモデルでは、安定翼の代わりに布製の吹流しや、後部からリボンが出るものが採用されました。これにより、安定性の確保と製造の簡略化が図られたと考えられます。

性能と運用

重量1.35kg、全長533mmというサイズは、手榴弾としては比較的大きく、重い部類に入ります。そのため、携行性は必ずしも高くはなく、投擲距離も最大で20～30メートル程度でした。しかし、当時の他のドイツ軍の近接対戦車兵器と比較すると、軽量で取り扱いが容易であり、貫通力も高かったため、兵士からは比較的評価が高かったようです。

戦後の影響

パンツァーヴルフミーネの設計思想は、戦後も他国に影響を与えました。1970年代には、エジプト軍がパンツァーヴルフミーネの事実上のコピーを採用し、イスラエル軍との戦闘で使用したという記録が残っています。これは、パンツァーヴルフミーネの有効性と、その設計が戦後も評価されていたことを示す事例と言えるでしょう。

関連兵器

三式対戦車手榴弾
RPG-43手榴弾
* RKG-3手榴弾

これらの兵器も、パンツァーヴルフミーネと同様に、歩兵が携行し、近距離で敵戦車を攻撃するために開発された対戦車兵器です。それぞれの設計や構造には違いがありますが、歩兵による対戦車戦闘という共通の目的を持っています。

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