パークシティ大崎

パークシティ大崎

パークシティ大崎（Park City Osaki）は、東京都品川区北品川五丁目で行われた大規模な市街地再開発事業によって誕生した複合市街地です。この開発により、超高層のオフィスビルや住宅棟をはじめ、商業施設、地域交流施設などが一体的に整備され、新たな街の核が形成されました。

開発の背景と歩み

大崎駅周辺地域は、1982年に策定された「東京都長期計画」において、池袋や新宿、渋谷などと並び、副都心の一つとして位置づけられました。これを契機に、かつて中小工場などが集積していたこの地域では、再開発によって土地利用の転換が急速に進みました。1985年には「市街地整備基本構想」、翌1986年には「大崎駅周辺地区市街地整備構想」（テクノスクエア構想）が定められ、これらの構想に基づき、1987年の大崎ニューシティ、1999年のゲートシティ大崎といった大規模複合施設の開業が実現し、副都心としての街づくりが進められました。

パークシティ大崎は、「北品川五丁目第1地区第一種市街地再開発事業」として進められたプロジェクトです。1991年に地元の親睦会によってまちづくり研究会が発足し、再開発に向けた検討が始まりました。その後の長い年月を経て、2007年に都市計画が決定、2009年には再開発組合が設立、そして2011年に権利変換計画が認可されるといった重要な段階を踏みました。2012年4月には本体工事が着工し、2015年6月に主要施設が開業、同年9月に商業ゾーン「オリーブテラス」が全面開業したことで、事業全体が竣工しました。この一大事業の総事業費は約1,159億円に及びます。

街区の構成と主要施設

開発区域は5つの街区に分かれ、以下の合計7棟の建物が建設されました。各棟はそれぞれの機能を有しながらも、2階レベルの空中デッキなどで相互に接続され、連携が図られています。

大崎ブライトタワー: オフィスを主体とする超高層ビルです。
大崎ブライトコア: 水平方向のグラデーションデザインが特徴的なオフィスビルで、BCP（事業継続計画）にも対応しています。3階・4階には品川産業交流支援施設「SHIP」が入居しており、500席収容の多機能ホールやオープンラウンジ、インキュベーションオフィスなどで構成されています。大崎ブライトタワーとは空中デッキで結ばれ、一体的な利用と利便性に配慮されています。
パークシティ大崎 ザ タワー: 超高層の共同住宅棟です。
パークシティ大崎 ザ レジデンス: 目黒川沿いに位置する地上18階建ての共同住宅です。全ての住戸から目黒川の景観を楽しめるよう、建物全体が弓型のユニークな平面計画となっています。2階のエントランスラウンジからは、目黒川沿いの桜並木を眼下に望むことができます。
大崎ブライトプラザ: 2階建ての商業・サービス棟です。1階にはスーパーマーケット、2階には複数の診療科を持つクリニックモールが出店しています。3階レベルには一般に開放された屋上庭園が設けられており、植栽と芝生が広がる公共空間として利用されています。
Sumビル: 地上4階建ての作業所棟です。大崎地域のものづくり産業の継承を目的として整備され、高い天井高や重荷重対応など、多様な使われ方に対応できる仕様となっています。
* 北品川地域交流施設: 目黒川に面し、同じ再開発で整備された小関橋公園と一体的に設けられた平屋建ての地域交流施設です。カフェ＆ホール「アワーズ」が入居しており、夜間にはガラス越しに内部の様子が映し出され、街の賑わいづくりに貢献しています。

また、この再開発では建物だけでなく、地域インフラの整備も行われました。周辺住宅からの汚水流入を抑制するための合流改善施設が、開発区域内に整備された小関橋公園の地下に設置されています。さらに、敷地全体の緑化率は30%を超え、豊かな緑に包まれたオープンスペースが随所に配置されています。これにより、歩く楽しさと潤い、賑わいのある魅力的な街並みが実現しました。

交通アクセス

JR山手線および東京臨海高速鉄道りんかい線の大崎駅から徒歩約3分の場所に位置しており、優れた交通利便性を備えています。

もう一度検索