パース・スタジアム

パース・スタジアム（オプタス・スタジアム）

西オーストラリア州の州都パースに位置するパース・スタジアムは、多種多様なイベントに対応可能な大型施設です。商業的な命名権により、現在は「オプタス・スタジアム」という名称でも広く認識されています。約6万人の観客を受け入れることができるこの施設は、オーストラリア国内におけるスタジアムの中でも最大級の一つであり、特にメルボルン・クリケット・グラウンド（MCG）やスタジアム・オーストラリアに次ぐ、国内第3位の収容能力を誇っています。

建設の背景と経緯

このスタジアムが建設された場所は、かつて東パース発電所が稼働していた敷地にあたります。この発電所は1993年にその役目を終え、閉鎖されました。その後、西オーストラリア州政府は、州都にふさわしい新たな大規模スタジアムを建設する構想を推進し、2011年にその計画が具体化しました。当初、政府は既存のスビアコ・オーバルを改修する案も検討しましたが、最終的には新たな場所での完全新規建設が決定されました。建設プロジェクトは2014年12月に始まり、約3年間の工事期間を経て、2017年12月に竣工に至りました。旧発電所跡地は、最新鋭の設備を備えた多目的スタジアムとして生まれ変わったのです。

多様なイベントの舞台

パース・スタジアムは、その広大なスペースと優れたインフラストラクチャーを活かし、開場以来、数多くの著名なイベントの会場となっています。サッカーやオーストラリアンフットボール（AFL）、ラグビーといった主要なスポーツ競技はもちろん、コンサートなどの大規模なエンターテインメントイベントも定期的に開催されています。

特にスポーツ分野においては、国内主要リーグの重要な試合や決勝戦が開催されています。2019年には、オーストラリアのプロサッカーリーグであるAリーグの年間王者を決定するAリーググランドファイナルがここで催され、多くのサッカーファンを熱狂させました。さらに、オーストラリアで最も人気のあるスポーツの一つであるAFLの年間優勝決定戦、「トヨタAFLグランドファイナル」も、2021年にこのスタジアムを舞台として行われました。これは、通常はメルボルンで開催されるこの歴史的なイベントが、パースで開催された極めて異例かつ重要な出来事でした。

スポーツイベントに加え、プロレス興行の主要な会場としても活用されています。例えば、世界的に有名なプロレス団体であるWWEが開催する、年間を通して重要なペイ・パー・ビュー（プレミアム・ライブ・イベント）の一つである「WWEエリミネーション・チェンバー」が、2024年に当地で開催され、国内外から大きな注目を集めました。

まとめ

パース・スタジアム、あるいはオプタス・スタジアムとして知られるこの施設は、旧発電所跡地の再開発という背景を持ち、西オーストラリア州パースにおけるスポーツおよびエンターテインメントの中心地として機能しています。国内第3位となる約6万人の収容能力と現代的な設備を備え、開場から短い期間で、サッカー、AFL、プロレスなど、多様なジャンルの大規模イベントを開催し、その存在感と多目的スタジアムとしての能力を国内外に示しています。パースの新たなランドマークとして、今後も様々な歴史的な瞬間がここで生まれることでしょう。

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