パーティシペーション

パーティシペーションとは

パーティシペーション（Participation）は、日本の民間放送において特有のコマーシャルメッセージ（CM）の一形態を指します。この形式は、スポットCMの一種であり、番組内で流れますが、通常の広告のようにスポンサーのクレジット表示はありません。基盤となる概念は、1960年代後半のテレビ放送において、一社提供から複数の企業が共同で番組を支える形態へと移行したことに由来します。

歴史的背景

元々は、「番組スポンサーの共同提供方式」を意味していたパーティシペーションは、民間放送の収入増加を目的に複数の企業が参加する体制を作り出しました。この方式は、いわゆるタイムCMと異なり、制作費を負担することなく、比較的安価なセールス料金で提供されます。具体的には、番組枠内で特定の広告主の提供クレジットを明示せずにCMを放送します。

特にラジオ番組のパーティシペーションでは、通常「各社の提供でお送りします」とのアナウンスがなされる場合もあれば、時にはそのアナウンス自体が省略されることもあります。また、複数の企業が同時にCMを流すステーションブレイクのような形で、タイムCMと共存する場合も見られます。

放送形態

パーティシペーションは、主に特定の時間帯や番組の種類において多く見られます。特にテレビでは、早朝や深夜に放送されることが多く、また昼のワイドショー中のCM枠でも活用されています。ラジオでは、スポンサーがない番組間で放送されることが一般的です。これにより、その時期特有のCMが流れます。

また、タイムCMを展開している企業が、特定の事情により一時的に自社の広告を放送しない際は、その枠がパーティシペーションとして扱われます。この場合、他社のCMや公共広告で枠が埋められることになります。

特定地域での使用

BSやCS放送において、放送の仕組み上、全国で同じCMしか流せないためスポンサーが限られる現状を補うため、インフォマーシャル形式のCMもパーティシペーションに含まれることがあります。また、一部地域では通常、同時ネットしているレギュラー番組が急遽差し替えられた場合などにも、この形式での放送が行われることがあります。この場合は、当該時間帯のスポンサーが急な中継に組み込まれるために、他の形で放送を行う必要があるからです。

金融機関とパーティシペーション

1991年からCMの放送が解禁された金融機関（銀行、信用金庫、信用組合）において、民放テレビでは一時的に自主規制があったため、1993年までパーティシペーションとして扱われるケースもありました。これにより、放送中の情報提供や広告は段階的に整備されるようになりました。

結論

このように、パーティシペーションは日本の民間放送における特異な広告手法であり、企業が番組内で安価に広告を打つ手段として有効活用されています。今後もこのスタイルは、柔軟な広告展開の一環として、様々な形で発展していくことでしょう。

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