パーム&ファウンテンテラスホテル

パーム&ファウンテンテラスホテルは、千葉県浦安市の開発地域である新町エリアに位置していた宿泊特化型ホテルです。東京ディズニーリゾート（TDR）のパートナーホテルの一つとして運営されていましたが、後に国内で4番目のディズニーホテルである東京ディズニーセレブレーションホテルとして生まれ変わったため、2016年 6月1日をもってその役割を終えました。

ホテルの構成と立地

「パーム&ファウンテンテラスホテル」という名称は、「パームテラスホテル」と「ファウンテンテラスホテル」という二つの建物の総称です。これらは道路を挟んで隣接しており、それぞれ異なる住所を持っていました。両ホテルは、所有・経営を担っていた株式会社舞浜リゾートラインの登録商標でもあります。

他の多くのパートナーホテルがTDRや新浦安駅に近いエリアにあるのに対し、当ホテルは1980年代に造成された新町地域という、少し離れた埋立地に位置していました。2000年代以降、このエリアではマンション建設などが盛んになり、その流れの中で当ホテルも計画されました。2003年8月に着工し、2005年2月25日に開業を迎えています。

コンセプトとサービス

当ホテルは「エコノミーさ」を大きな特徴としていました。宿泊に特化しており、レストランはファミリーレストランのような形式で、朝食や軽食を提供していました。これは、「TDRで一日中満喫した後に、手頃な価格で宿泊したい」というゲスト層を主なターゲットとしていたためです。客室料金設定においても、大人数での利用を想定した部屋が多く、一人あたりの実質的な価格が抑えられていました。運営形態としては、ベッド&ブレックファスト（B&B）に近いスタイルが採られていました。

外観デザインは、TDRの施設を彷彿とさせるような造りであったため、開業当初はしばしばディズニーホテルと誤解されることもありましたが、当時はTDRの正式な構成施設ではありませんでした。

施設詳細

客室

合計702室を備えていました。全室禁煙で、洗い場付きのバスルームと独立した洗面台・トイレが特徴でした。喫煙は1階のカフェルームで可能でした。

スタンダードルーム: 約29㎡、定員4名。最も数の多い基本的な客室タイプで、海に面したオーシャンサイドの部屋もありました。
トリプルルーム: 約32㎡、定員3名。レギュラーベッドが3台設置されていました。
スーペリアルーム: 約35〜39㎡、定員4名。スタンダードルームよりも広々としていました。
エンジョイ5ルーム: 約29㎡、定員5名。パームテラスホテルのみにあり、スタンダードルームのデイベッドの一つが2段ベッドになっていました。
コーナールーム: 約28㎡、定員3名。ファウンテンテラスホテルのみにあり、海側の角部屋でした。
アクセシブルルーム: 約33/37㎡、定員2/3名。段差のないバリアフリー仕様で、広めのバスルームとエレベーターに近い配置が特徴でした。
マーメイドルーム: 約29㎡、定員4名。ファウンテンテラスホテルのみ。ピンクや水色を基調とし、壁やベッドカバーに海の生き物が描かれた、マーメイドをイメージした部屋でした。
わくわく探検ルーム: 約29㎡、定員4名。ジャングルを探検するようなイメージで、植物や動物の絵が壁一面に描かれていました。
トミカルーム: 定員3名。ファウンテンテラスホテルのみで、期間限定（2012年3月登場）の特別室でした。ミニカー「トミカ」をテーマにし、プレイエリアにはトミカのコースが設置され、貸し出し用のトミカで遊ぶことができました。

料飲施設

両ホテル1階にそれぞれカフェがあり、朝食と軽食を提供していました。パームテラス・カフェ、ファウンテンテラス・カフェともに約200席の座席がありました。

ショップ

1階にはコンビニエンスストアのローソン（24時間営業）と、TDRの公式グッズを取り扱う「ディズニーファンタジー」がありました。

その他サービス

宅配便カウンターやコインランドリーなどが利用できました。

交通アクセス

TDRへはホテル宿泊者専用の無料シャトルバス「東京ディズニーリゾート・パートナーホテル・シャトル」が運行されており、予約なしで利用できました。

また、新浦安駅、浦安駅、舞浜駅からは東京ベイシティ交通の路線バスが利用可能でした。東京駅や秋葉原駅、羽田空港、成田空港へは高速バスやリムジンバスも運行されており、当ホテル前に停車しました。新浦安駅からは徒歩約30分でした。

沿革とリブランド

2005年2月25日：パーム&ファウンテンテラスホテルとして開業。
2011年3月12日：東日本大震災の影響で一時休業。同年10月1日に営業を再開しました。
2014年4月1日：経営・運営権がミリアルリゾートホテルズから、子会社のブライトンコーポレーションへ譲渡されました。
2016年 2月27日：ファウンテンテラスホテルとしての営業を終了。
2016年 6月1日：改修を経て、ファウンテンテラスホテルが「東京ディズニーセレブレーションホテル:ウィッシュ」として開業。同時に、パームテラスホテルとしての営業も終了しました。
* 2016年 9月10日：改修を経て、パームテラスホテルが「東京ディズニーセレブレーションホテル:ディスカバー」として開業。

このように、パーム&ファウンテンテラスホテルは、ウィッシュ棟とディスカバー棟からなる「東京ディズニーセレブレーションホテル」としてリブランドされ、その役割を終えました。

パートナーホテル時代には、宿泊ゲスト向けのTDR関連特典も提供されていました。ユニークなコンセプトと手頃な価格で、多くのゲストに利用されたホテルの歴史は、セレブレーションホテルに引き継がれています。

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