パール (THE YELLOW MONKEYの曲)

シングル「パール」

「パール」は、日本のロックバンドであるTHE YELLOW MONKEYの22枚目のシングルで、2000年7月12日にBMGファンハウスからリリースされました。この楽曲は、同年の8thアルバム『8』の先行シングルとして発表され、特にファンにとって思い入れの深い曲となっています。

概要

「パール」は、吉井和哉がセルフプロデュースを手掛け、これまでのコラボレーションシングルからの流れを経て制作されました。曲の題名は「悔し泣きで流れる涙」を象徴しており、歌詞における「君」は、2000年3月に惜しくも他界した元プロモーション担当の中原繁を指しています。吉井にとって、中原は友人であり、特別な存在でもありました。

吉井は「JAM（1996）」の成功の後、再びそのような運を願ってこの曲を作ったと述べています。また、彼は「イエローモンキーのロックとしての魅力をもう一度強く伝えたかった」とも語っており、ポップス的な「BRILLIANT WORLD」と対比させて位置づけています。シンプルな楽曲を如何にイエローモンキーらしく表現するかをテーマにしており、自身の若い頃のロックへの情熱を思い出しながら制作したことが伺えます。

「パール」は、解散後のコンピレーションアルバム『MOTHER OF ALL THE BEST』に収録され、2000年代リリースのシングルでは唯一の収録曲としてファンの心に残っています。

中原繁について

中原繁は吉井和哉と同い年で、日本コロムビアのトライアドレーベルでプロモーターとして活躍しました。大学卒業後、アルバイトでコロムビアに関わり、やがてTHE YELLOW MONKEY専属の担当者となりました。彼はパンクロックの熱烈なファンであり、当初はバンドの音楽スタイルとは異なる部分もありましたが、次第に意気投合していきました。

吉井は深夜に放送されるラジオ番組でのパーソナリティを務めていた時期に、中原と語り合いながら夢の実現を目指していました。中原は「JAM/Tactics|JAM_Tactics」のリリースに対し、会社が難色を示す中で「絶対にヒットさせてみせる！」と熱意を持って取り組んでいました。

THE YELLOW MONKEYがコロムビアを離れる際、中原にもバンドと共に移籍するよう打診しましたが、彼は会社への忠誠心からコロムビアに留まり、他のアーティストの成功に寄与しました。2000年3月18日、中原はアマチュアバンドコンテストの最中に急逝。突然の訃報はバンドメンバーに大きな衝撃を与え、解散についての議論が持たれていた時期でした。

吉井は「パール」の歌詞について、中原に語りかけるような内容を意図して書いたと語っています。

収録曲

シングル「パール」に含まれる楽曲は以下の通りです。
1. パール
作詞・作曲: 吉井和哉 / 編曲: THE YELLOW MONKEY
テレビ番組「劇空間プロ野球」のイメージソングとしても使用されました。
2. STONE BUTTERFLY
作詞・作曲: 吉井和哉 / 編曲: THE YELLOW MONKEY・THE SAINT
歌詞にはアメリカのバンドエアロスミスのアルバムタイトルが引用されています。
3. サイキック No.9（Live）
同年のツアーで初めて披露されたライブエディションです。原曲はアルバム『8』に収録されています。
4. パール（Karaoke）
カラオケバージョンです。

収録アルバム

「パール」は後のアルバムにも収録されています。具体的には以下の通りです。

• - 『8』 (2000年7月26日)
• - 『GOLDEN YEARS Singles 1996-2001』 (2001年6月13日)
• - 『MOTHER OF ALL THE BEST』 (2004年12月8日)
• - 『イエモン-FAN'S BEST SELECTION-』 (2013年7月31日)
• - 『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』 (2017年5月21日)

このように、THE YELLOW MONKEYの「パール」は、その背景や歌詞の意味に深く根ざした名曲で、音楽ファンにとって特別な位置づけを持っています。

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