パーンチカ

パーンチカについて

パーンチカ（サンスクリット：पाञ्चिक、漢訳：半只迦、半支迦）は、毘沙門天（クベーラ）の従者であり、八大夜叉の大将の一人です。彼の妻は鬼子母神、つまりハーリーティーです。時にはパンチカと称されることもあります。また、サンジュニェーヤという別名で呼ばれることもありますが、二十八大薬叉においては散脂大将と般止柯が別の存在として挙げられるため、一様ではありません。

仏教においてパーンチカは、二十八部衆の一員として重要な役割を果たしています。また、彼やハーリーティー夫妻は数百人の子孫を持つと言われており、その数は500人とも言われています。このような大家族の姿は、彼らの豊穣を象徴しています。

パーンチカは槍を持つ武神として描かれたり、また財宝の神ともされることがあります。彼の特性は、悪から人々を守ることや、繁栄をもたらすことで信仰されています。

ＧＡＮＤＨＡＲＡ美術におけるパーンチカとハーリーティーの坐像は、その美しさや豪華さで知られています。特に、ハーリーティーの手に持つコルヌコピアは豊穣のシンボルであり、これが彼女の役割を強調しています。一般的に鬼子母神像は吉祥果を持っていることが多いですが、この点も夫婦それぞれの特性を表しています。

仏教においては、毘沙門天が仏教に帰依したことと同様に、パーンチカも仏教を受け入れたというエピソードが知られています。これにより彼の信仰は、仏教の文化に深く根付いていることが分かります。

また、彼を題材とした文化的な表現や信仰は、東アジアでも根強く生き続けており、仏教以外の信仰とも融和しています。日本の仏教界でも約木として的位置付けされ、多くの信者に親しまれています。

参考文献

• - Sir John Marshall, The Buddhist Art of Gandhara, New Delhi: Oriental Books Reprint Corporation, 1980, p. 104.
• - 高橋 尭昭「パンチカとハーリティーに見る仏教の抱容性とその基盤 (仏教と神祇)」日本仏教学会年報 (52), p47-66, 1986.
• - 高橋 尭昭「クシャン王朝下の北西印度におけるハーリーティー・パーンチカの信仰について」印度學佛教學研究 42(1), 219-222, 1993.

関連項目

• - 善財童子

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