パーヴェル・バトフ

パーヴェル・イワノヴィチ・バトフ

パーヴェル・イワノヴィチ・バトフ（1897年5月20日 - 1985年4月19日）は、ソ連の上級大将であり、二度にわたってソ連邦英雄として称えられた軍人です。彼の生涯は、戦争と栄光、そして功績に満ちたものでした。

早年期と軍歴の始まり

バトフはフィロソヴォ村、今のヤロスラヴリ州にある小さな農村で、貧しい農民の家庭に生まれました。彼の軍人としてのキャリアは、1916年に第一次世界大戦に従軍することからスタートしました。この戦争でバトフは、ゲオルギー十字章を2度受章し、その他にもメダルを数個得るなど、早くからその才能を示しました。1918年には赤軍に参加し、1920年から1936年まで様々な指揮官職を歴任しました。特に1927年には射撃技術を磨く課程を修了し、1929年からは共産党員として活動を開始します。

バトフは1936年から1937年のスペイン内戦にも参加し、その後はソ・フィン戦争に従軍し、能力をさらに発揮しました。1940年にはザカフカーズ軍管区の副司令官として昇進します。

第二次世界大戦における活躍

第二次世界大戦が始まると、バトフはクリミア地域で特別狙撃軍団を指揮し、1941年8月からは南部戦線第51軍の副司令官として任命されます。また、1942年には第3軍の司令官を経て、ブリャンスク戦線の司令官補佐官に就任。その後、1942年10月からは第65軍の司令官として、スターリングラードの戦いを始めとする数々の重要な戦闘に参加しました。

彼の指揮する第65軍は、戦時中に最高司令官令で30回も言及され、バトフ本人も、その戦功によって1943年に最初のソ連邦英雄の称号を授与されました。さらに1945年にはオーデル川の渡河やステッチンの占領での功績により、二度目の英雄称号を得ました。

戦後の経歴

戦後、バトフはソ連の軍において引き続き重要な地位を占めました。機械化軍や諸兵科連合軍を指導し、在独ソビエト軍集団の第一副総司令官や、複数の軍管区の司令官として活躍しました。1950年には参謀本部アカデミー附属の高等学術課程を修了し、後にワルシャワ条約機構の統合軍の参謀長に就任します。そして1965年からはソ連国防省監察総監部の軍事監察顧問として引き続き貢献しました。

1970年にはソビエト戦争ベテラン委員会の議長に就任し、またソ連最高会議の代議員としても活動しました。

個人の功績

バトフは、ソ連邦英雄として二度賞を受けている他、レーニン勲章を6個、十月革命勲章や赤旗勲章も複数受賞するなど、その軍人としてのキャリアは非常に輝かしいものです。彼の存在は、ソ連の軍史において重要な位置を占めており、名誉ある勲章を多数授与されています。バトフの生涯は、数々の戦争とそれに対する奉仕が結実したものであり、彼の功績は今なお語り継がれています。

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