ヒメアマツバメ

ヒメアマツバメ (Apus nipalensis)

ヒメアマツバメは、アマツバメ目に分類される鳥類で、全長約13cmの小型でありながら独特な美しさを持つ一種です。主にアジアの広い地域に生息し、その飛行能力と子育ての習性が注目されています。

分布

ヒメアマツバメは多様な地域に分布しており、インドやインドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、韓国、中国、台湾、日本、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ブータン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオスといった国々に見られます。特にネパール東部から南中国、東南アジア、フィリピンにかけて繁殖を行います。日本では、関東地方以南で見かけることができ、一部地域では留鳥として周年生息しています。特に台湾では多く繁殖する一方、以前は日本には生息しないと考えられていましたが、1960年代に観察されたことから日本国内での繁殖が確認されました。

形態

ヒメアマツバメの特徴的な外観には、全身を覆う黒褐色の羽毛と、喉および腰部分の白い羽毛があります。体重は20gから35g程度で、飛ぶ姿は非常に美しさの中に力強さを感じさせます。オスとメスでは見た目に差がなく、尾羽には浅い切れ込みがあり、広げると扇状に広がります。くちばしは黒く、目は褐色、足も黒色です。

分類

これまでヒメアマツバメとされていた種に関しては、一部が独立種として認識されています。例えば、A. affinisは現在ではニシヒメアマツバメとして分類されています。各亜種は以下のようになっています：

• - Apus nipalensis nipalensis - ヒマラヤ山脈からミャンマー及び中国南東部、さらに日本やフィリピンを含む。
• - Apus nipalensis furcatus - ジャワ島やバリ島に生息。
• - Apus nipalensis kuntzi - 台湾が主な生息地。
• - Apus nipalensis subfurcatus - マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島及び周辺島嶼に見られます。

生態

ヒメアマツバメは市街地や農作物を含む地域に生息し、主に日中に活発に飛び回ります。その食性は昆虫を主に含み、飛んでいる昆虫を狙って捕食します。また、巣の構築においては、イワツバメやコシアカツバメの古巣や建物の軒下、橋桁などを利用して、枯草や羽毛を唾液で固めてお椀状の巣を作ります。特に巣の入り口には羽毛を付着させるため、見た目にも特徴的です。

繁殖シーズンは地域によって異なりますが、日本では主に5月から8月の間に2-3個の卵を産みます。特定の地域では年に2回の繁殖も見受けられ、本州中部では4月下旬から12月初旬にかけて複数回の繁殖を行います。雌雄交代で抱卵し、抱卵期間は18-26日。雛は孵化後、約33-49日で巣立ちます。

このように、ヒメアマツバメはその飛翔能力だけでなく、繁殖様式や生息環境においても特筆すべき鳥類です。特に彼らの生活圏が様々な人間活動に影響を受ける中で、この種の保存に関する意識を高めることが重要です。

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