ヒメハギ属(Polygala)
ヒメハギ属は、
ヒメハギ科に属する
植物のグループで、
学名を Polygala といいます。日本においては、その美しい姿から「姫萩」という漢字表記が用いられます。
分類
比較的新しいAPG
植物分類体系では、
ヒメハギ科は
ヒメハギ目から
マメ目へと分類が変更されています。
特徴
ヒメハギ属の
植物は、一年草、多年草、またはまれに半低木として存在します。
葉は通常、互い違いに生え、托
葉(
葉の付け根にある小さな
葉状の構造物)を持ちません。
花は、紫色、白色、または黄色を帯び、枝先や
葉の付け根から
総状花序を形成します。
萼片は5個あり、それぞれが独立しています。
花弁は3個で、そのうち下側の1個は雄しべの基部と結合し、先端には細かく裂けた房状の付属体が見られます。残りの2個の
花弁は、発達しないことが多いです。雄しべは8個あり、
花糸の下部が鞘状に合着します。
子房は上位に位置し、2つの部屋に分かれています。
果実は
蒴果となり、中に2つの
種子を抱えます。
分布と種
ヒメハギ属は、世界の温帯地域に450〜500種が知られており、低木状の種は亜熱帯地域に多く見られます。日本には5種が自生しており、そのうち3種は
絶滅危惧種として指定されています。
日本に分布する主な種
ヒメハギ (Polygala japonica):多年草。日本、朝鮮、中国、フィリピン、インドシナ、ヒマラヤに分布。
リュウキュウヒメハギ (Polygala longifolia):一年草。沖縄県の
久米島に分布。絶滅危惧IA類(CR)に指定。
シンチクヒメハギ (Polygala polifolia):一年草。
奄美大島、
徳之島、沖縄諸島に分布。絶滅危惧IA類(CR)に指定。
カキノハグサ (Polygala reinii):多年草。本州の近畿地方、中部地方西部、静岡県に分布。
ヒナノキンチャク (Polygala tatarinowii):一年草。絶滅危惧IB類(EN)に指定。日本、朝鮮、中国、フィリピン、東南アジア、インド、シベリア東部に分布。
帰化種・栽培種
ハリ
ヒメハギ Polygala ambigua
コバナ
ヒメハギ Polygala paniculata
カンザシ
ヒメハギ Polygala sanguinea
セネガ Polygala senega
オオ
ヒメハギ Polygala sibirica
イト
ヒメハギ Polygala tenuifolia
クルマバ
ヒメハギ Polygala verticillata
参考文献
佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生
植物 草本Ⅱ 離弁
花類』(1982年)平凡社
外部リンク
米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
生物多様性情報システム 環境省
日本のレッドデータ検索システム
*
Polygala, Flora of China.