ヒラく宇宙ポケット

ヒラく宇宙ポケット

『ヒラく宇宙ポケット』は、日本のシンガーソングライター、KOTOKOによって2011年10月5日に発表された通算5枚目のオリジナルアルバムです。彼女にとって、長年在籍した音楽制作集団I'veからの独立後、初めてメジャー流通でリリースされた作品となります。販売レーベルも、これまでのジェネオン・ユニバーサルからワーナー・ホーム・ビデオへと移行しており、新たな体制での活動開始を示すアルバムとなりました。

本作には、先行してリリースされたシングル曲「SCREW」、「碧羅の天へ誘えど」、「Loop-the-Loop」などは収録されず、タイトル通り、未発表の書き下ろし楽曲のみで構成されています。計13曲が収められており、フレッシュなサウンドが詰まった内容です。

楽曲制作には、I'veの中核を担う高瀬一矢、中沢伴行、井内舞子といったクリエイターに加え、 kz (livetune)、DECO*27、齋藤真也といった外部の著名なサウンドメイカーが多数参加。これにより、従来のI'veサウンドに留まらない、KOTOKOの新たな音楽性が引き出されています。また、このアルバムでKOTOKO自身が初めて全収録曲のプロデュースを手がけており、アーティストとしての自己表現をより深く追求した作品と言えます。

リリース後のチャート成績としては、2011年10月17日付のオリコン週間アルバムチャートで初登場21位を記録しました。初週の売上枚数は5,199枚でした。

音楽出版社が発行する音楽雑誌『CDジャーナル』の批評では、KOTOKOのボーカル表現の幅広さに注目。「曲調に応じて歌声を使い分ける変幻自在ぶりはここでも発揮され、トランス系からポップ、ダークな楽曲までを存在感十分に楽しませてくれる」と評されており、本作における多様な楽曲スタイルとそれに寄り添うKOTOKOの歌唱力が評価されています。

『ヒラく宇宙ポケット』は、I'veからの独立、レコード会社移籍、初のセルフプロデュース、そして全曲書き下ろしという、KOTOKOのキャリアにおける大きな転換点に制作されたアルバムであり、彼女の音楽性の新たな広がりを示す重要な作品として位置づけられます。

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