ヒレンジャク

ヒレンジャクについて

ヒレンジャク（学名: Bombycilla japonica）は、日本を含む北東アジアに自生する小型の鳥です。主に冬期に寒冷地から越冬のために日本に飛来します。この鳥は美しい赤紫がかった淡褐色の羽毛を持ち、特にオスとメスでほぼ同じような色合いが特徴です。

形態

ヒレンジャクの体長は約18センチメートル、翼を広げると約29センチメートルになります。顔の色は赤褐色がかり、頭には尖った冠羽があります。目の周りには黒い過眼線があり、のどの部分は黒色です。初列風切羽は黒褐色で、外側の羽は灰色です。オスには白斑が見られる一方、メスは外羽にのみ白斑があります。特徴的なのは、尾羽が赤黒色であり、12枚の尾羽を持つことから「十二紅」という名前が付けられました。腹部は黄色味が強く、下尾筒は赤色です。

分布と越冬地

ヒレンジャクはシベリア東部や中国のアムール川沿いで繁殖しますが、森林の減少や環境の悪化によって絶滅の危機に瀕しています。日本では、一般的に11月から5月にかけて沖縄県中部から北の地域に見られます。特徴的なのは越冬地での飛来数が年ごとに変動が大きく、見かけない年もあれば、逆に一年を通して観察されるケースもあることです。特に西日本に多く羽ばたく傾向があり、そのために低地や開けた丘陵地の森林や農地に現れることが多いです。

生態

越冬期のヒレンジャクは、果実類を主な食物としています。具体的にはネズミモチやイボタノキ、ニシキギなどの木の実を好んで食べます。一方、夏の繁殖期には昆虫も食べることがあります。ヒレンジャクの多くは数羽から数十羽の群れを作って行動しますが、稀に100羽を超える大群になることもあります。また、キレンジャクとの混群が見られることも多いです。鳴き声は甲高く「ヒーヒー」や「チリチリ」などと聞こえますが、曲があったり囀るような声は発しません。

繁殖については、樹上にお椀型の巣を作り、そこに草や苔を敷いて卵を5〜6個産みます。

名前の由来

平安時代からヒレンジャクは「連雀」や「唐雀」と呼ばれていました。この名前の由来は群れで行動することに由来します。江戸時代には、ヒレンジャクとキレンジャクが区別され、漢名ではそれぞれ「十二紅」と「十二黄」として記されました。また、ヒレンジャクはヤドリギを食べることから、かつて「ほやどり」とも呼ばれていました。

参考文献

情報の出所には、鳥類に関する様々な図鑑や専門書が含まれており、これに基づいてヒレンジャクに必要な知識が得られています。それらの情報をもとに、ヒレンジャクの生態や特徴、分布について幅広く知識を深めることができます。

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