ヒロインくん

よしかわ進の性転換コメディ『ヒロインくん』

『ヒロインくん』は、よしかわ進による日本の漫画作品で、『てれびくん』（小学館）にて1979年11月から1981年8月まで連載されました。また、『コロコロコミック増刊号』（同）にも番外編が2回掲載されるなど、当時人気を博しました。『コロコロコミック』に連載された『おじゃまユーレイくん』と並び、作者の代表作として知られています。

連載当時のキャッチフレーズは「おしっこおもらしまんが」という、少し変わったものでした。この作品は、性転換を題材としたコメディであり、そのユニークな設定と、主人公を中心に巻き起こる騒動が読者の心を掴みました。

長い年月を経て単行本化、そして続編へ

連載終了後、長い間単行本化されていませんでしたが、2001年に笠倉出版社よりついに単行本化されました。そして、単行本発行後、2002年冬のコミックマーケットで頒布された同人誌に続編が描かれ、その後も継続的に続編が発表されています。これは、長年のファンにとって嬉しい出来事であり、作品への愛着を再燃させるきっかけとなりました。

あらすじ

物語の主人公は、小学生男子の広印アキラ君。彼は、女の子を強く望んでいた母親のために、化学者である父親が開発した「男を女に変える薬」を誤って飲んでしまいます。その結果、アキラ君は女の子の姿になってしまい、元に戻る薬が完成するまで、女の子として生活することを余儀なくされます。

性転換してしまったアキラ君は、正体がバレないように転校を決意しますが、運命のいたずらか、転校先のクラスで前の学校の同級生だった女の子と再会してしまいます。あっという間に正体がバレてしまった上に、クラスメイトから真偽を確かめるために全裸にされてしまうという、波瀾万丈な展開が繰り広げられます。

連載後半では、アキラ君が元の姿に戻りたいと強く願うようになり、父親が「女を男に変える薬」を開発しようと試みます。しかし、またもや手違いが発生し、別の女の子が誤って薬を飲んでしまい、今度はその女の子が男の子になってしまうという騒動が勃発します。このように、物語は常に予測不能な展開で読者を楽しませてくれます。

『ヒロインくん』は、性転換という斬新なテーマを扱いながらも、ユーモアに溢れたストーリーと、個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマが魅力的な作品です。

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