ビーズ

ビーズについて

ビーズは、装飾や手芸など様々な用途に使用される小さな穴が空いた玉であり、一般的なサイズは直径が10mm以下です。ビーズの形状は、球形や円筒形が多く、さらに花形や星形など多彩なデザインが存在します。また、素材も幅広く、ガラスやプラスチックだけでなく、古代から使われてきた石や貝殻、真珠、珊瑚、さらには動物の角や骨などが用いられます。

主な用途は、衣服、鞄、靴、装身具（ネックレス、イヤリング、指輪など）、おもちゃ（万華鏡など）です。特に、ネックレスは小さなビーズを連ねて作られ、大きいペンダントトップビーズを結んで作るペンダントも魅力的な装飾品です。さらに、マイクロビーズや発泡スチロールビーズを利用したビーズクッションも人気があります。

ビーズの語源と歴史

ビーズという言葉の語源について、アングロサクソン語の「biddan（祈る）」や「bede（祈る人）」から派生したという説があります。また、穴の空いた玉そのものは古代から世界中に存在していました。例えば、古代インダス文明では、紅玉髄で作られたビーズが広く生産され、メソポタミアなどへ輸出されていました。さらに古代エジプトでは、紀元前5500年頃には天然石を使用した装飾品が存在し、自然石を穿孔して紐に通す技術があったことが、数多くの埋葬例から確認されています。最初は自然石がそのまま使用されていましたが、後に石が研磨されて成形されるようになり、紀元前4500年頃にはファイアンスという素材を用いて様々な形のビーズが制作されるようになりました。

奴隷貿易の際には、「トレードビーズ」と呼ばれるビーズがアフリカに渡ることもありました。そして、1900年代初頭までのビーズは、「アンティークビーズ」や「ビンテージビーズ」として評価されています。この時期にはガラスの加工技術が現在とは異なり、独特の風合いを持つビーズが多く生産されました。また、プラスチック（ルーサイト）を用いた加工技術も発展し、当時のデザインは現代の視点で見ると、キッチュな魅力を醸し出しています。

日本においては、大正時代末に婦人雑誌によって紹介され、流行が始まりました。1926年には『ビーズ手芸全書』という本が出版され、日本初の本格的な参考書とされています。21世紀に入ってからのトレンドは、スワロフスキーの人気を経て、現在ではヨーロッパのビーズや天然石ビーズが注目を集めています。これらのビーズは、工業生産されたものとは異なり、一粒一粒に独自の個性があると評価されています。

ビーズの種類

ビーズはその生産地、形状、材料によって多様に分類されます。生産地による分類では、日本、チェコ、ヴェネツィア、インド、フランス、ドイツ、中国、アフリカのキファビーズなどがあります。

形状に関しては、シードビーズ、そろばん玉、ナツメ型、ファイアポリッシュ、球形、花形や立体花、スクエアなどが存在します。材料による分類では、トンボ玉、プラスチックビーズ、陶器、粘土、動物の角や骨、貝殻、天然石ビーズ、真珠、天珠、アルミニウムなど、多岐にわたる素材が使われています。これらの多彩なビーズは、日々の生活に彩りを与え、創造的な表現ができる道具として広く愛されています。

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