ビエッラ県

ビエッラ県

イタリア共和国北西部、ピエモンテ州の北東部に位置する行政単位がビエッラ県（Provincia di Biella）です。その中心機能は県都であるビエッラ市に置かれています。

地理的特徴

ビエッラ県は、ピエモンテ州の中でも比較的コンパクトな県域を持ちます。地理的には、北、東、南の三方をヴェルチェッリ県に囲まれており、残る西側はトリノ県、そして北西側はヴァッレ・ダオスタ州と境界を接しています。その地形は、アルプスの山々から続く丘陵地帯や平野部まで多様であり、豊かな自然景観が広がっています。

主要な居住地区

2001年に実施された国勢調査の統計によると、県内にはいくつかの主要な都市・集落が存在します。特に人口が多いのは以下の地域です（人口4000人以上の地区）。

ビエッラ (Biella) - 44,865人
コッサート (Cossato) - 14,221人
ヴィリアーノ・ビエッレーゼ (Vigliano Biellese) - 8,061人
カンデーロ (Candelo) - 7,580人
* トリヴェーロ (Trivero) - 4,550人 （TRIVERO-PRATIVERO-PONZONEとして統計）

これらの地域は、県内の経済や生活の中心としての役割を担っています。

歴史的背景

ビエッラ県は、イタリアの県としては比較的新しい歴史を持っています。1992年に制定された法律に基づき、それまで含まれていたヴェルチェッリ県から分離・設置されました。そして、1996年からは正式に県としての行政活動を開始し、独自の道を歩み始めています。

行政区画とコムーネ

県は複数の基礎自治体であるコムーネによって構成されています。2019年1月1日時点では、合計78のコムーネが存在します。近年、行政の効率化などを目的としたコムーネの統廃合が進められており、21世紀に入ってからもいくつかの変化が見られます。

例えば、2016年にはクイッテンゴとサン・パオロ・チェルヴォがカンピーリア・チェルヴォに編入されたり、クローザがレッソーナに統合されたりしました。また、2017年にはセルヴェ・マルコーネがペッティネンゴに編入されています。さらに新しい動きとして、2019年にはクアレーニャとチェッレート・カステッロが合併してクアレーニャ・チェッレートが発足したほか、モッソ、ソプラーナ、トリヴェーロ、ヴァッレ・モッソが合併してヴァルデォラーナが誕生するなど、行政区画の再編が進んでいます。

交通アクセス

ビエッラ県内には、イタリアの主要な高速道路であるアウトストラーダは直接乗り入れていません。しかし、トリノとミラノを結ぶA4号線を利用することで、県外からのアクセスが可能です。特に、隣接するヴェルチェッリ県内のサンティアやカリージオに設けられたインターチェンジを利用すれば、県の中央部へ比較的容易に到達することができます。

著名な出身者

ビエッラ県は、イタリアの歴史に名を残す人物も輩出しています。中でも特筆されるのは、20世紀後半にイタリア共和国の首相を務めたジュゼッペ・ペッラ氏です。彼は県内のヴァルデンゴで生まれました。

日本との関係

国際的な交流も行われており、特に日本との間には姉妹都市関係が結ばれています。群馬県桐生市は、ビエッラ県の県都であるビエッラ市と姉妹都市提携を結んでおり、文化交流などが進められています。

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