ビック・セイシャス

ビック・セイシャス：アメリカのテニスレジェンド

ビック・セイシャス（Vic Seixas、1923年8月30日 - 2024年7月5日）は、アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアで生まれた男子テニス選手です。本名はエリアス・ビクター・セイシャス・ジュニア。彼は1950年代初頭に特に活躍し、男子シングルス、男子ダブルス、そして混合ダブルスで数多くのタイトルを獲得しました。彼の卓越したテニススキルと強靭なスタミナが、彼をテニス界の重要な存在に押し上げました。

テニスキャリアの初期

セイシャスは1940年に全米選手権に初出場しましたが、当時は第2次世界大戦中でテニス4大大会は開催が限られていました。1940年代には目立った成果を上げることができなかったものの、1950年に初めて海外大会に参加し、全仏選手権でベスト8、ウィンブルドンではベスト4に進出。これが彼のキャリアの転機となりました。

彼は1951年に全米選手権で初めて男子シングルス決勝に進出しましたが、オーストラリアのフランク・セッジマンに敗れ、準優勝に終わりました。この年からデビスカップのアメリカ代表としても活躍し始めました。

成功を収めた1950年代

1952年、セイシャスはメルビン・ローズとペアを組んで全米選手権男子ダブルスで初のグランドスラムタイトルを獲得しました。この決勝戦では、当時の強豪ペアを破ることに成功し、彼自身の名声を高める出来事となりました。その後、1953年には全仏選手権の混合ダブルスで初優勝を果たし、続くウィンブルドン選手権男子シングルスでも勝利。全部で15のグランドスラムタイトルを獲得した彼は、まさにテニス界のスターに成長しました。

ダブルスの偉業

セイシャスのダブルス競技において、特にすごかったのはドリス・ハートとの混合ダブルスの成績です。彼らは1953年から1956年にかけてウィンブルドンで4連覇を達成し、全米選手権でも3連覇を果たしました。これらの成功は、彼のキャリアをさらに彩るものでした。男子ダブルスのパートナーであるトニー・トラバートとの連携もまた、いくつものタイトル獲得に寄与しました。

晩年とレガシー

1955年以降、セイシャスはオーストラリアとフランスの大会から距離を置くようになり、1969年まで全米選手権に出場し続けました。46歳のときには通常の試合トーナメントを越えた94ゲームもの接戦を繰り広げる記録も残しています。彼の現役引退後、1971年には国際テニス殿堂入りを果たしました。

彼のテニススタイルは、フォアハンドストロークのトップスピンやバックハンドスライスを駆使し、駆け引きの中で圧倒的なスタミナを活かしました。セイシャスは100歳でこの世を去りましたが、その功績とテニス界への影響は今も色あせることがありません。彼のテニスに対する情熱と献身は、多くの選手やファンに引き継がれ、伝説として語り継がれています。

もう一度検索