ビッグママ・ハウス3

『ビッグママ・ハウス3』（2011年）は、『ビッグママ・ハウス2』に続くアクションコメディ映画です。FBI捜査官マルコム・ターナーは、息子のトレントがデューク大学進学を希望する一方で、ヒップホップ歌手としての成功を夢見ていることに複雑な思いを抱いています。

そんな中、マルコムは潜入捜査中にトレントが殺人事件の目撃者となり、マフィア逮捕の鍵となるUSBメモリがジョージア女子芸術学校にあることを突き止めます。事態を解決するため、マルコムは再びビッグママという女性の姿になり、トレントは娘のシャーメインに扮して、学校に潜入することになります。

しかし、潜入捜査は容易ではありません。トレントは女子学生ヘイリー・ロビンソンに恋心を抱き、その恋心を隠しながら捜査を進めなければなりません。学校生活に溶け込む努力をする一方で、マフィアの影が忍び寄り、危険な状況に何度も遭遇します。父子2人（2人とも女性の姿をしていますが）は、それぞれの役割を全うしながら、事件解決に挑みます。

マルコムは、ビッグママとして、学生たちとの交流の中で様々な困難やハプニングに遭遇します。トレントは、シャーメインとして、女子校特有の環境や人間関係に戸惑いながらも、持ち前の機転と明るさで乗り越えていきます。しかし、マフィア組織の追跡は執拗で、危険は常に彼らを脅かします。

この作品は、前作と同様に、コミカルな要素とスリリングな展開が絶妙に融合しており、ハラハラドキドキしながらも笑えるエンターテイメント作品となっています。父子それぞれの葛藤や成長、そして、予想外の展開が観客を魅了します。

しかしながら、批評家の評価は低いものでした。Rotten Tomatoesでは59件のレビューのうち5%しか支持を得ておらず、平均点は2.6点と酷評されています。Metacriticでも14件のレビューで100点中22点という低い評価となっています。

これらの批評家の評価は、ストーリー展開、演技、ユーモアなど、様々な点でネガティブな意見が多く見られました。一方で、シリーズ作品として、前作からのファンや、気軽に楽しめるコメディ映画を求める視聴者にとっては、一定の満足度を得られる作品と言えるかもしれません。

日本語版では、高田浩光氏が演出、瀬谷玲子氏が翻訳、佐藤隆一氏が調整を担当し、ビデオテックが制作に携わっています。

本作は、親子関係、青春、潜入捜査、そしてコメディといった様々な要素が複雑に絡み合い、見応えのあるエンターテイメント作品となっています。ただし、批評家の評価を踏まえると、万人におすすめできる作品とは言い難いかもしれません。シリーズ作品として楽しむか、軽い気持ちでコメディ映画として観るか、視聴者の判断が重要となるでしょう。

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