ビッグ・ヒッツ (ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)

ローリング・ストーンズの代表的ベスト盤『ビッグ・ヒッツ (ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)』

1966年、ローリング・ストーンズ初の公式コンピレーション・アルバム『ビッグ・ヒッツ (ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)』(Big Hits (High Tide and Green Grass))がリリースされました。アメリカでは3月、イギリスでは11月の発売となり、両国で大きな成功を収めました。

アメリカでの成功とロングヒット

アメリカではチャート最高3位を記録し、実に2年もの間チャートにランクインし続けました。このアルバムは、ストーンズの代表曲の数々を収録し、彼らの音楽性を広く知らしめるきっかけとなりました。当時既に人気を博していた楽曲の数々が収録されたことで、アメリカにおける彼らの地位を確固たるものにしました。

イギリス盤と日本での発売

一方、イギリス盤には、彼らのデビューシングル「カム・オン」が収録されている一方、「彼氏になりたい」といったヒット曲は含まれていませんでした。それでも、イギリスのチャートで4位に到達するなど、高い人気を誇りました。

イギリス盤は日本で1989年4月にCD化されましたが、その後長らく廃盤となっていました。その後、2002年にはアメリカ盤がリマスターされSACDとのハイブリッドCDとして再発、2006年にはデッカ/ロンドン期のアルバムが紙ジャケット仕様で再発されましたが、この時イギリス盤は発売されませんでした。2019年にはレコード・ストア・デイ限定盤としてレコード、日本では紙ジャケット仕様のSHM-CDでも発売され、現在でも入手可能な状況となっています。

ジャケット写真と収録曲の違い

アルバムのジャケット写真は、制作が中止された別のアルバム『Could You Walk On The Water?』用に撮影されたものが流用されています。イギリス盤のジャケットは、ジェリー・シャッツバーグが魚眼レンズで撮影した写真が使用され、アメリカ盤の表写真が裏面に使用されるという、興味深いデザインとなっています。

収録曲もアメリカ盤とイギリス盤で異なっており、アメリカ盤には「(I Can't Get No) Satisfaction」や「Paint It, Black」といった代表曲が収録され、イギリス盤には「カム・オン」や「Lady Jane」といった楽曲が収録されています。アメリカ盤とイギリス盤では、収録されている楽曲の選定に違いが見られ、それぞれの地域で人気のある曲が収録されていることが分かります。この違いも、コレクターにとって魅力的なポイントとなっています。

長期に渡る人気と再発

発売から半世紀以上経った現在でも、『ビッグ・ヒッツ (ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)』は、ローリング・ストーンズの代表的なアルバムとして高い人気を誇っています。数々の再発を経ながらも、その人気は衰えることを知らず、多くのファンに愛され続けています。アメリカ盤とイギリス盤それぞれの魅力、そしてその歴史は、音楽史における重要な位置を占めていると言えるでしょう。収録されている楽曲一つ一つが、ローリング・ストーンズの音楽性の高さと時代背景を示しており、何度聴いても新鮮な感動を与えてくれます。

まとめ

『ビッグ・ヒッツ (ハイ・タイド・アンド・グリーン・グラス)』は、ローリング・ストーンズの初期の代表曲を網羅した、まさに名盤中の名盤と言えるでしょう。アメリカ盤とイギリス盤の違い、そして幾度にもわたる再発の歴史は、このアルバムがいかに長く愛され続けてきたかを示しています。音楽ファン、特にローリング・ストーンズのファンにとって、必聴、そして入手しておきたい一枚と言えるでしょう。

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