ビッグ・ピクチャー

アルバム『ビッグ・ピクチャー』の概要

『ビッグ・ピクチャー』（The Big Picture）は、1997年にエルトン・ジョンが発表したアルバムです。この作品は、バラードを中心とした楽曲の数々を収めており、音楽的には感情の深さや静けさを表現しています。エルトン・ジョンによるソロのバージョンが収録されている「リヴ・ライク・ホーセズ」は、ルチアーノ・パヴァロッティとのデュエット・チャリティーシングルとしても知られています。

アルバムのテーマと背景

このアルバムのリリースはエルトンにとって特別な意味を持っていました。前年に友人であるジャンニ・ヴェルサーチが亡くなったため、アルバム全体に沈んだ穏やかな雰囲気が漂っています。この時期、エルトンは視野を広げることが難しく、感情的な影響を受けていたとも言われています。

また、彼の葬儀において、かつて疎遠になっていた友人であるダイアナ元皇太子妃が彼を慰めており、この年にダイアナ本人も事故で亡くなっています。このような背景が、作品の制作に大きな影響を与えたと考えられます。

追悼曲「キャンドル・イン・ザ・ウインド1997」

アルバムの中の重要な楽曲の一つが「キャンドル・イン・ザ・ウインド1997」です。この曲は、もともと「風の中の火のように」の歌詞を改訂して作られ、ダイアナ妃への追悼の意を込めた作品になっています。同曲は、全世界で最も売れたシングルとしても知られています。エルトンは曲の意味を特に重視し、彼女の葬儀での追悼のために歌うことを引き受けました。

アルバムの収録曲

アルバムには、以下のトラックが収められています。

• - ロング・ウェイ・フロム・ハピネス - "Long Way From Happiness"
• - リヴ・ライク・ホーセズ - "Live Like Horses"
• - ジ・エンド・ウィル・カム - "The End Will Come"
• - イフ・ザ・リヴァー・キャン・ベンド - "If The River Can Bend"
• - ラヴズ・ゴット・ア・ロット - "Love’s Got A Lot To Answer For"
• - ユー・ルック・トゥナイト - "Something About The Way You Look Tonight"
• - ビッグ・ピクチャー - "The Big Picture"
• - リカヴァー・ユア・ソウル - "Recover Your Soul"
• - ジャニュアリー - "January"
• - キャント・スティアー・マイ・ハート - "I Can’t Steer My Heart Clear Of You"
• - ウィキッド・ドリーム - "Wicked Dreams"
• - アイ・ノウ・ホワイ・アイム・イン・ラヴ - "I Know Why I'm In Love"

このアルバムの特徴的な点は、バラードを主とした構成です。アルバムの最後に収録されている「ウィキッド・ドリーム」のみが、よりロックらしさを感じさせるトラックとなっています。また、日本版のボーナストラックとして「アイ・ノウ～」も収録されています。

参加ミュージシャンと制作

アルバムには、エルトン・ジョン自身がヴォーカルとピアノを担当し、他にも多くの才能あるミュージシャンが参加しています。たとえば、デイビー・ジョンストンやジョン・ジョーゲンソンがギターを演奏し、ガイ・バビロンがキーボードやストリングスのアレンジも担当しました。

制作面ではクリス・トーマスがプロデューサーを務め、全体的に高いクオリティを保つことに成功しています。このように、『ビッグ・ピクチャー』はエルトン・ジョンの音楽キャリアの中でも特に感情的な作品として位置づけられています。

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