ビハチ

ビハチ：歴史と自然が織りなすボスニアの古都

ビハチ（Bihać）は、ボスニア・ヘルツェゴビナ北西部に位置する都市であり、ウナ＝サナ県の県都です。その歴史は古く、中世にはクロアチア王国の首都となった時代もあり、紛争の激戦地となった過去も持っています。しかし、豊かな自然と文化的な魅力にあふれ、訪れる人々を魅了し続けています。

歴史

ビハチの歴史は13世紀に遡ります。1262年には自由都市となり、クロアチア王国の首都として一時繁栄しました。しかし、16世紀にはオスマン帝国の侵攻を受け、激しい抵抗の末に陥落。その後、オスマン帝国の北西端の守りとして重要な役割を果たしました。

19世紀にはオーストリア＝ハンガリー帝国の支配下に入り、平和な時代が訪れます。この時期に都市のインフラが整備され、発展が加速しました。ユーゴスラビア王国時代も西ボスニアの中心地として繁栄しましたが、第二次世界大戦中はパルチザンの拠点となり、再び戦火に見舞われました。

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では、セルビア人勢力に包囲され、3年間にわたる孤立を経験しました。しかし、1995年にクロアチア軍との共同作戦により包囲を脱し、復興への道を歩み始めました。

みどころ

ビハチは、ウナ川沿いに位置し、周辺は豊かな自然に恵まれています。ウナ川では毎年レガッタが開催され、多くの人々が訪れます。また、「ビハチの夏」という演劇祭も開催され、文化的な魅力を発信しています。

ビハチはクロアチアとの国境に位置しており、ザグレブやダルマチア地方からのアクセスも容易です。近隣にはプリトヴィツェ湖群国立公園などの観光スポットもあり、自然を満喫できます。

教育と経済

ビハチには1997年に開設されたビハチ大学があり、工学、経済学、法学、生物学など7つの学部があります。地域の高等教育の中心として、人材育成に貢献しています。

経済面では、プレミンガービール醸造所が有名です。近年は主要な建物や道路の修復が進められ、都市の景観が向上しています。

まとめ

ビハチは、その長い歴史の中で様々な困難を乗り越えてきました。紛争の傷跡は残るものの、豊かな自然と文化的な魅力にあふれ、復興に向けて力強く歩んでいます。ボスニア・ヘルツェゴビナを訪れる際には、ぜひビハチに足を運び、その魅力を体感してください。

参考情報

ビハチ自治体公式サイト
プレミンガー醸造所

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