ビュザンティオン

ビュザンティオンの歴史

ビュザンティオン（古代ギリシャ語: Βυζάντιον）は、かつてトラキアの半島に格子上で構築された古代ギリシャの都市であり、現代のイスタンブール旧市街に位置しています。この都市は、紀元前667年頃にメガラの植民者たちによって建設され、彼らの王ビュザンタスに因んで名付けられました。ビュザンティオンという名前の他にも、ビザンティオン、ビザンティウムといった表記も見られ、様々な言語において異なる名称が使われてきました。

建設の背景

ビュザンティオンの建設には、ギリシャ神話に登場するデルポイの予言が関与していると言われています。創設時には、すでに原住民であるトラキア人の居住地が存在していたという疑惑もあり、建設物語は伝説的要素が強いと言えるでしょう。

歴史の中での変遷

この都市は紀元前5世紀初頭にはペルシアの支配下にありましたが、紀元前478年にギリシャ連合軍によって攻略されます。以降、アテナイの属国となるも、紀元前357年の同盟市戦争を経て自治を取り戻しました。その後も、マケドニア王の脅威にさらされつつも、アテナイとペルシアの援軍によって包囲を撃退するなど、戦略的な位置を活かして生存を続けます。

ローマの支配下に移行する過程で、196年にはローマ皇帝セプティミウス・セウェルスによる懲罰とともに街は破壊されましたが、すぐに再建されました。この再建時には、競馬場（ヒッポドローム）が建設されるなど、都市の発展が見られました。

コンスタンティヌス1世の時代

4世紀に入ると、ローマ皇帝コンスタンティヌス1世がビュザンティオンに注目し、新たな近代都市の建設を始めます。彼は天然の良港を有するこの都市を「ノウァ・ローマ」と改名しましたが、この名前はあまり普及せず、「コンスタンティノポリス」という名前で知られるようになります。コンスタンティヌスは330年に落成式を執り行い、以後この地は東ローマ帝国の首都として繁栄の時代を迎えることになります。

さらなる発展とオスマン帝国の影響

1453年にはオスマン帝国によってコンスタンティノポリスが陥落し、新たにその首都としての地位を獲得します。この時以来、「イスタンブール」という名前が広まり、ついにはオスマン帝国の首都として大いに栄えました。

イスタンブールはその後も市街地が拡大し続け、現代ではトルコ最大の都市としての地位を築きました。現在のイスタンブールは、ビュザンティオンやコンスタンティノポリスの歴史を持ちながら、2200万人近い人口を抱える大都市へと成長しています。

ビュザンティオンからコンスタンティノポリス、そして現代のイスタンブールに至るまでの歴史は、文化、政治、経済の交流の歴史でもあり、地域の発展に大きな影響を与えてきました。

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