ビューロー (日本共産党)

ビューローについての詳細

ビューローは、1924年3月の日本共産党（第一次）の解散後に設置された事務局および1925年8月に結成された共産党再建を目指すグループ、通称「再建ビューロー」として知られています。この時期は、日本における共産主義運動が重要な変革を迎えていました。具体的には、1924年3月に開催された森が崎会議で、日本共産党の解党が決定されました。この際、反対意見を持っていたのは荒畑寒村ただ一人でした。そのため、党再建を考慮する中で、必要な残務整理のための事務局が設立されましたので、その名称が「ビューロー」となったのです。

ビューローのメンバーは青野季吉、佐野文夫、北原竜雄、徳田球一の4名で構成されました。しかし、第一次共産党の中心メンバーだった山川均は方針転換を提唱し、ビューローから距離を置くことになりました。この動きは後に労農派の形成につながります。

1924年5月、コミンテルンの第5回大会が開催され、日本から片山潜が代表として出席しました。彼は日本の共産党解党の報告を行いましたが、コミンテルンはこれを受け入れず、直ちに党再建を指示しました。その結果として、1925年1月にはヴォイチンスキーがコミンテルン極東セクションの上海会議を招集しました。この会議には、佐野学、徳田球一、青野、荒畑などが出席し、結果的に共産党再建を定めた「1月テーゼ」が作成されました。こうして、ビューローは単なる残務整理委員会から再建のための組織へと変わっていったのです。

1925年8月、ビューローは再建を目指す「共産主義者グループ」との連携を深め、「再建ビューロー」として再編されました。この際、委員長には徳田が就任し、政治部長には佐野学、青年部長には北浦、関西担当には荒畑が任命されました。

しかし、1926年春には、ドイツから帰国した新進経済学者福本和夫が参加し、彼の提唱する福本イズムが影響を及ぼすようになりました。この理論は大衆運動との結びつきよりも党再建を重視するもので、「分離から結合」へと進める方向でした。結果的に、荒畑はこの福本の理論を強く批判し、共産党との距離を置くようになり、山川らとの連携を進めることになります。

1926年の年末には五色温泉で日本共産党再建大会が開催されましたが、この大会で中心的な役割を果たした人々は、いずれも福本の影響下にありました。これらの動きは当時の共産主義運動にとって重大な意味を持ち、ビューローは日本共産党の再建とその後の方向性において重要な役割を果たしたことになるのです。

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