ビルゼイト大学

ビルゼイト大学

ビルゼイト大学（Birzeit University）は、パレスチナ国ヨルダン川西岸地区のビルゼイトに位置する公立の高等教育機関です。この大学は、パレスチナ教育高等教育省に認定されており、社会問題省によって慈善団体として登録されています。ビルゼイト大学は、1924年に女子のための小学校として設立され、その後1975年に大学へと発展を遂げました。

学部とプログラム

この大学は、総合大学として多様な学部を有しており、以下の9つの学部が存在しています：アーツ、サイエンス、ビジネスと経済学、法学・行政学、工学・技術、薬学・看護学・医療学、教育学、芸術音楽とデザイン、そして大学院です。また、学部生向けには76の学士プログラム、大学院生向けには34の修士プログラムが用意されています。2020年には、15,000人以上の学生が、学士号、修士号、もしくは博士号取得を目指して学んでいました。

大学の歴史

ビルゼイト大学の歴史は1924年に遡ります。最初は女子教育を目的とした「ビルゼイト小学校」としてナビハナセルによって設立されました。1930年には男女共学の中学校に転換され、1932年には「ビルゼイト高等学校」として改名されました。そして1942年には「ビルゼイト大学」と名を変え、その後1953年に新入生の高等教育課程が法人化され、さらに1961年には2学年の課程も法人化されました。

新しい学部立ち上げの流れは続き、2006年には情報科学部が設立され後に工学・技術学部と統合されました。また、2008年には薬学・医療学部も開設され、名称は後に薬学・看護学・医療学部に改められました。2015年には社会科学が初の博士課程を開講し、2018年にはQS世界大学ランキングで国内トップとなり、世界の大学の上位3％に位置付けられる流れが続きました。

学生と地域社会

ビルゼイト大学は、パレスチナや周辺地域の学生たちのために重要な役割を果たしており、彼らの教育機会を広げる努力を続けています。多様な社会問題を抱える地域において、大学は教育だけでなく社会貢献にも力を入れており、学生たちが地域社会で活動することを奨励しています。2021年にはビシャーラ・ドゥマニ教授が学長に就任し、さらなる発展を目指して新しいリーダーシップのもとで運営されています。

大学と抗議活動

ビルゼイト大学は歴史の中で多くの困難に直面してきました。1988年から1992年の間、イスラエル国防軍によって何度も封鎖され、学生たちの学び舎が奪われたことがあります。近年では、2021年12月に大学が襲撃を受け、多数の学生が拘束される事態が発生しました。こうした出来事は、大学の自由と安全が脅かされていることを示しています。

理事会と管理

ビルゼイト大学は、パレスチナ人コミュニティから選出された教育専門家による理事会によって管理されています。この理事会は学長の指名を行い、学長が推薦した副学長や学部長の承認も行います。また、年間計画や予算案も理事会にて承認されます。

結論

ビルゼイト大学は、教育の発信地としての役割を果たしつつ、地域社会への重要な貢献をしている機関です。多くの学生がこの大学で学び、将来のパレスチナを担う人材として成長しています。その歴史、教育プログラム、社会的活動からなる多面的な側面は、今後の発展に向けた大きな可能性を秘めています。

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