ビルバオ・トラム

ビルバオ・トラム

ビルバオ・トラム（Bilbao Tram）は、スペイン・バスク州ビスカヤ県のビルバオ都市圏で運行されているトラムシステムです。このトラムは単にA線（Linea A）とも呼ばれ、2002年12月12日に初めて運行を開始しました。バスク自治州で運営されている2本のトラムのうちのひとつで、もう一方はビトリア＝ガステイスに存在します。

交通の役割

ビルバオ・トラムは、都市圏における公共交通網の一環としての役割を果たしており、14の停留所を持つA線はメトロ・ビルバオやバスク鉄道、セルカニアス・ビルバオ（通勤鉄道）と接続しています。このトラムは、地下鉄や通勤鉄道の駅がない地区を網羅して走行するため、ビルバオの多くのエリアへのアクセスを提供しています。また、ビルバオ・トラムはビルバオ・グッゲンハイム美術館やエスタディオ・サン・マメス・バリアなどの文化的な施設とも密接に関連しており、観光客や地元住民にとって重要な移動手段となっています。

歴史的背景

ビルバオ・トラムの歴史は、15年間にわたりトラムまたはライトレールの必要性を考慮した研究を基にしています。1999年5月に路線の第一段階の建設が始まり、2002年12月18日に初めて6つの停留所が開業しました。開業式典では、当時のバスク州の首相・フアン・ホセ・イバレチェが挨拶を行いました。その後、2003年から2004年にかけて新たに4つの停留所が追加され、2008年にはさらなる延長が計画されたものの、バスク自治州政府の方針により延伸計画は変更されました。2010年には、オートノミア通りとラ・カシジャ広場に新しい駅が設けられました。

停留所の配置

ビルバオ・トラムには計14の停留所が設置されています。いくつかの停留所ではプラットホームが歩道として使用されており、特に利用しやすい設計がされています。ビルバオ＝アチュリ停留所を除けば、他の全ての停留所は無人で、自動券売機が設置されているため、券を購入することができます。乗客は券売機で購入した切符を改札機に通す必要があります。また、プラットフォームはトラムの床と同じ高さで設計されており、車椅子や乳母車、高齢者にも優しい環境が整っています。加えて、全停留所にはシトラン・システムが導入されており、リアルタイムの運行情報や遅延情報などが液晶画面を通じて提供されています。

現行路線

現在、ビルバオ・トラムの運行はA線のみであり、ビルバオ＝アチュリ停留所を起点としてラ・カシジャ停留所が終点です。この路線は、月曜日から金曜日までの平日は10分間隔で運行され、ラッシュアワーや早朝、深夜などの時間帯には本数が減少します。一部区間では自動車と併用する軌道を走行しており、またピオ・バロハ停留所からエウスカルドゥナ停留所までは専用の芝生が敷かれた軌道を走行しています。

将来の延伸計画

ビルバオ・トラムの将来の発展に向けた計画として、エチェバリへの延伸があります。これは、現在のターミナルであるビルバオ＝アチュリ駅から、エチェバリのサン・アントニオ駅まで既存の線路を使用して延長し、メトロ・ビルバオのC-3線と接続することを目指しています。また、ソロツァウレへの新たな路線を建設する計画もあり、この計画はビルバオ市中心部とソロツァ地区を結ぶ重要な役割を果たすものと期待されています。

ビルバオ・トラムは、ビルバオ都市圏に新たな交通手段を加え、地域の住民や観光客にとって便利な移動手段を提供する重要なインフラとなっています。

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