ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎完結篇

『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎完結篇』：シリーズ完結編、壮絶な抗争の幕開け

『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎完結篇』は、1988年12月17日に公開された、きうちかずひろ原作の人気コミック『ビー・バップ・ハイスクール』の実写映画化作品です。シリーズ第6作目にして完結編という位置づけであり、仲村トオルと清水宏次朗が、お馴染みの主人公・中間徹と加藤浩志役を再び演じています。監督は那須博之。

本作では、ヒロシが警察から釈放された直後から物語が始まります。中学生同士の些細な争いがきっかけとなり、愛徳高校と立花商業高校の対立が激化。トオルは立花商業の番長・菊永と対決しますが、そこに極東高校の不良グループが介入してきます。

極東高校のリーダー格である丸野は、かつて愛徳高校に在籍していた人物。彼は策略を用いて、極東高校と愛徳高校の抗争を煽り立てます。この策略によって、両校の大規模な抗争が勃発。ヒロシ、トオル、そして彼らの仲間たちは、シンゴや柴田・西といった仲間たちと共に、壮絶な大乱闘を繰り広げます。

原作との関連性: 本作は原作コミックの10巻と11巻の内容をベースにしていると言われています。いくつかのエピソードが映画用に再構成・アレンジされ、独自のストーリー展開も加えられています。具体的には、「不良番長一日戦争」、「恋貧乏語情無用」、「癇癪野郎捨鉢勝負」、「高校与太郎音頭」といったエピソードが参考にされているとされています。

キャストと制作の裏側: 本作には、シリーズお馴染みのキャストに加え、新たなキャラクターも登場します。注目すべきは、トオルの舎弟・川端純役を演じた的場浩司です。彼は本作で重要な役割を担っており、シリーズへの参加は、前作『高校与太郎音頭』でのオーディション落選を経て、監督からの熱意によって実現しました。また、三代目・大前均太郎役を演じた池野茂治は、オーディションでの奮闘を経て、この役を射止めました。前作まで均太郎役を演じていた上野隆彦は、スケート場での撮影シーンを理由に降板しています。

極東高校の番長・丸野を演じた我王銀次は、劇団「大阪バトルロイヤル」の主催者で、小沢仁志との繋がりから、本作のキャスティングに繋がっています。この劇団のメンバーが、本作を含むいくつかの『ビー・バップ』シリーズ作品に出演しています。

クライマックスシーンは、まずトオルと菊永の直接対決から始まります。このシーンは、これまでのシリーズや原作漫画では明確に描かれることがなかったため、本作の見どころとなっています。そして、スケートリンクでの大乱闘。当初は、ヒロシがシャチに乗って登場するという奇抜なアイデアがありましたが、シャチの習性やアクシデントにより、パラシュート降下というシーンに変更されています。

主題歌: 本作では複数の主題歌が使用されており、ビー・バップ・オールスターズが歌う「ビー・バップ・ドリーム」や山口由子、立花理佐が歌う楽曲などが、作品の世界観を盛り上げています。

スタッフ: 監督には那須博之、脚本は那須真知子、音楽はたかしまあきひこ、川村栄二といった豪華スタッフ陣が参加しており、そのクオリティの高さを裏付けています。

『ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎完結篇』は、痛快なアクションとユーモラスな演出、そして個性豊かなキャラクターたちが織りなす、シリーズ最終章にふさわしい作品となっています。シリーズファンはもちろん、初めて観る人にも、その魅力が伝わる作品と言えるでしょう。

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