那須真知子

那須真知子：数々のヒット作を生み出した脚本家の軌跡

那須真知子（なす まちこ）は、1952年10月5日生まれの日本の脚本家です。福島県いわき市出身で、福島県立磐城桜が丘高等学校（旧・磐城女子高等学校）卒業後、青山学院大学文学部を卒業しました。

意外にも、中学生時代は短距離走の選手として活躍しており、文学や映画への関心は特にありませんでした。大学卒業後はOLとして就職しますが、自分に合わず退職。その後、母親の紹介でシナリオ学校に入学することになります。この転機が、彼女の人生を大きく変えることになります。

1977年、にっかつシナリオコンクールで『横須賀男狩り 少女・悦楽』が受賞し、見事脚本家デビューを果たします。翌々年にはテレビドラマ『大都会 PARTIII』に参加、その後も数多くの作品を手掛けました。

1985年、夫である映画監督の那須博之氏（2005年没）との共同作業で制作した『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズの大ヒットにより、その名は広く知られるようになりました。若手俳優やアイドルを主演に起用した青春アクション映画として人気を博し、シリーズは複数作品にわたって制作されました。

『ビー・バップ・ハイスクール』シリーズ以外にも、那須真知子は多様なジャンルの作品を手掛けています。アクションや青春映画だけでなく、テレビドラマや文芸映画など、幅広い分野で才能を発揮しました。その作品群には、若者たちの青春や社会問題、人間の心の機微など、多様なテーマが盛り込まれています。

彼女の脚本は、登場人物の心情を深く掘り下げた描写や、テンポの良い展開、そして時代を反映したリアルな表現などが特徴として挙げられます。特に、若者たちの心情を繊細に描き出すことに長け、多くの共感を呼びました。

数々の作品で高い評価を受け、日本アカデミー賞優秀脚本賞を5度受賞するなど、その功績は高く評価されています。受賞作品には、『別れぬ理由』（第11回）、『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』（第20回）、『北の零年』（第29回）、『北のカナリアたち』（第36回）、『北の桜守』（第42回）などがあります。これらの作品は、いずれも高い評価を受け、日本の映画史に名を残す作品となっています。

那須真知子の脚本家としてのキャリアは、OLから脚本家への転身という異色の経歴から始まり、数々のヒット作を生み出した輝かしいものでした。彼女の作品は、時代を超えて多くの人々に感動と共感を届け、日本の映画・テレビドラマ界に大きな足跡を残しています。今後も、彼女の作品から目が離せません。

主要フィルモグラフィ

映画
横須賀男狩り 少女・悦楽 (1977年)
後から前から (1980年)
オン・ザ・ロード (1982年)
刺青 IREZUMI (1984年)
双子座の女 (1984年)
月の夜 星の朝 (1984年)
ビー・バップ・ハイスクール シリーズ (1985年～1988年)
早春物語 (1985年)
化身 (1986年)
別れぬ理由 (1987年)
新宿純愛物語 (1987年)
右曲がりのダンディー (1989年)
桜の樹の下で (1989年)
代打教師 秋葉、真剣です! (1991年)
新・極道の妻たち (1991年)
寒椿 (1992年)
霧の子午線 (1996年)
わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語 (1996年)
地獄堂霊界通信 (1996年)
あばれブン屋 (1998年)
実録外伝 武闘派黒社会 (1999年)
北の零年 (2004年)
デビルマン (2004年)
北のカナリアたち (2012年)
北の桜守 (2018年)

テレビドラマ
大都会 PARTIII (1979年)
ちょっとマイウェイ (1979年～1980年)
探偵物語 (1979年)
体験時代 (1979年)
プロハンター (1981年)
私はタフな女 (1981年)
可愛い悪魔 (1982年)
西部警察 (1981年～1984年)
あぶない刑事 (1986年)
揺れる想い (1995年)
くれなゐ (1998年)
PU-PU-PU- (1998年)
松本清張スペシャル 内海の輪 (2001年)
松本清張スペシャル 一年半待て (2002年)
取調室 (2002年)
* 塀の中の懲りない女たち2 (2006年)

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