ビー・マイ・ベイビー (アルバム)

アルバム『ビー・マイ・ベイビー』〜ヴァネッサ・パラディの新たな挑戦

『ビー・マイ・ベイビー』（原題：Vanessa Paradis）は、1992年にヴァネッサ・パラディによってリリースされたサード・アルバムです。この作品は彼女の音楽的キャリアにおいて重要な位置を占めており、特に英語詞のみで構成されている初めてのアルバムとして注目されています。フランスの人気ポップシンガーであるヴァネッサは、このアルバムを通じて国際的な市場に進出することを目指しました。

アルバムは、アメリカのミュージシャンであり、プロデューサーでもあるレニー・クラヴィッツの手によって制作されました。レニーはアルバム全体のプロデュースを担当し、彼のレギュラー・バンドのメンバーも多数参加しています。特に注目すべき曲は「ウェイティング・フォー・ザ・マン」で、これはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの名曲をカヴァーしたものです。このアルバムからのシングル「ビー・マイ・ベイビー」は、フランスで5位、イギリスで6位にランクインし、いずれも大ヒットを記録しました。さらに、2022年から2023年の間には、日本のテレビ番組『朝生ワイド す・またん!』のオープニングテーマに使用され、再び多くの人々の耳に馴染むこととなったのです。

アルバムは全体で11曲で構成されており、フランスおよびヨーロッパ盤にはボーナストラック「ガッタ・ハヴ・イット」が含まれています。ただし、アメリカや日本の盤にはこの曲が収録されておらず、その理由は歌詞の内容がレニー・クラヴィッツとのロマンスを茶化しているものだったためです。この話は、後にリリースされた「ライヴ～ナチュラル・ハイ・ツアー」の日本盤ライナーノーツにも記されています。

アルバムに収められている曲には、以下のようなものがあります。

• - ナチュラル・ハイ (Natural High)
• - ウェイティング・フォー・ザ・マン (I'm Waiting for the Man)
• - 銀と金 (Silver and Gold)
• - ビー・マイ・ベイビー (Be My Baby)
• - ロンリー・レインボー (Lonely Rainbows)
• - サンデイ・マンデイズ (Sunday Mondays)
• - ユア・ラヴ (Your Love Has Got a Handle on My Mind)
• - フューチャー・ソング (The Future Song)
• - パラディ (Paradis)
• - あなたがいる限り… (Just as Long as You Are There)
• - ボーナストラック「ガッタ・ハヴ・イット (Gotta Have It)」

このアルバムは、彼女の多様な音楽スタイルを示すと同時に、ヴァネッサ自身の個性を色濃く反映した作品でもあります。参加ミュージシャンの面々も豪華で、各種楽器による豊かなサウンドが特徴です。ヴァネッサはボーカルを担当し、タンブリンやバッキング・ボーカルも担当しました。レニー・クラヴィッツは多才なアーティストでありながら、ドラムスやギターなども演奏し、アルバムのサウンドに深い影響を与えました。

この作品は、1990年代の音楽シーンにおける重要な一ページとして記憶され、多くのリスナーに愛され続けています。また、ボーナストラックの「ガッタ・ハヴ・イット」については、女優のりょうが1996年に行われたチャリティライヴでカヴァーを披露するなど、新たな息吹を吹き込むことにも寄与しました。

『ビー・マイ・ベイビー』は、ヴァネッサ・パラディの音楽的探求の一環として、リスナーに新たな視点を提供する名盤として完成度の高い作品です。

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