ピカソ美術館 (アンティーブ)

南仏の宝石、アンティーブ・ピカソ美術館

コート・ダジュールの輝く太陽の下、地中海を見下ろすアンティーブ旧市街に佇むピカソ美術館。かつてのグリマルディ城を舞台に、20世紀を代表する巨匠パブロ・ピカソと、彼に影響を受けた現代美術の粋が集められています。

グリマルディ城の歴史とピカソとの出会い

17世紀にグリマルディ家の城砦として建てられたこの場所は、その後市立博物館として利用されていました。1946年、ピカソがアトリエを構えたことが転機となります。わずか2ヶ月の滞在期間中に数々の傑作を生み出し、それらの作品を「永久貸与」としてアンティーブ市に寄贈したことが、美術館設立のきっかけとなりました。

2006年から2008年にかけて大規模な改修が行われ、展示スペースが拡張。ピカソの作品は、彼が実際に制作を行った最上階に移設され、当時と同じ環境で鑑賞できるようになりました。

主要な収蔵品

美術館のコレクションは、ピカソの創造の軌跡を辿る上で欠かせない作品群で彩られています。

絵画
『アンティーブの鍵』：アトリエ到着後、壁に直接描かれたという貴重な作品
『ガラス瓶、舌平目、水差しの静物画』：ピカソらしい独特な視点が光る静物画
『生きる喜び』：鮮やかな色彩と躍動感にあふれた傑作
『フクロウと3つのウニの静物画』：ユーモラスなモチーフが印象的な作品
『ユリシーズとセイレーン』：ギリシャ神話を題材にした壮大な作品

彫刻
ミロ『海の女神』

ピカソの作品に加え、ニコラ・ド・スタール、ハンス・アルトゥング、アンナ＝エヴァ・ベルグマンなど、現代美術の巨匠たちの作品も展示されています。

地中海の絶景と共に

美術館のテラスには、ジェルメーヌ・リシエやミロなどの彫刻が配置され、地中海のパノラマビューを眺めながらアートを楽しむことができます。刻々と表情を変える海の色と、彫刻の織りなすハーモニーは、訪れる人々を魅了してやみません。

アクセス

所在地：4, rue des Cordiers, 06600 Antibes, フランス
交通手段：フランス国鉄アンティーブ駅から徒歩

アンティーブ・ピカソ美術館は、芸術と自然が融合した、まさに南仏の宝石。コート・ダジュールを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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