ピケ (トランプゲーム)

ピケ（Piquet）

ピケは、フランスで生まれた2人対戦型のトリックテイキングカードゲームであり、その魅力は手役の要素を取り入れた点にあります。現在はこのゲーム自体はあまり行われなくなりましたが、その影響を受けた多くのカードゲームが欧州各地で楽しまれています。ここでは、ピケの基本的なルール、歴史、そしてその発展について詳しく見ていきましょう。

歴史

このゲームの名前は1534年にフランソワ・ラブレーの『ガルガンチュワ物語』の中で「picquet」として初めて登場しています。しかし、当時のルールが現在のピケと同じであったかは不明です。17世紀には36枚のカードを使用し、現在のルールに近い形に発展。フランス国内だけでなく、イギリスやドイツでも人気を博しました。特に18世紀初めには、イギリスでピケは広く楽しまれ、オンブルなどの他のカードゲームと並ぶ流行となりました。音楽や文学にも影響を与え、例えばモリエールの劇『はた迷惑な人たち』にも登場するなど、その存在は広がりました。1920年代以降、ピケは衰退の一途を辿りつつも、いくつかの後継ゲームを生み出しました。

ピケのルール

古典的なピケでは、通常32枚のカード（アセ、キング、クイーン、ジャック、10〜7）を使用します。プレイ前に、2人のプレイヤーはそれぞれのカードを引き、小さい数字のプレイヤーがディーラーとなり、その後は交互にディーラーを務めます。各プレイヤーには12枚の手札が配られ、残った8枚は山札としてテーブルに伏せます。プレイヤーは手札の交換を行い、相手に手役を宣言するルールが特徴です。

カルト・ブランシュ

手札に絵札（K・Q・J）が含まれない場合、プレイヤーは「カルト・ブランシュ」を宣言して10点を得ることができます。この宣言は手札を交換する際に行わなければなりません。

手役の宣言

手役の宣言は独特で、手札を見せることなく構成枚数を宣言。相手はそれに対して「よし」や「同じ」、「もっと」と返答します。手役には点数、シーケンス、同一ランクのカードの3つのタイプがあり、異なる得点制度が設けられています。

プレイの流れ

ゲームはトリックテイキングの形式に従い、最初のトリックは子がリードします。点数を得るには10以上のカードを使用しなければならないため、戦略が重要です。特に最後のトリックに勝つことが重要で、得点計算に影響します。

スコア計算

勝利したトリックの数に応じて得点が加算され、特に7つ以上のトリックを獲得すると追加の10点が得られます。全トリック勝利であれば40点となります。

ルビコン・ピケ

19世紀後半からは「ルビコン」のルールが主流となり、ゲームの進行がやや変化しました。基本的には同じですが、プレイの回数を基に勝敗を決定する方式へと進化しました。また、手札交換は必ず1枚以上行わなければならない点も変更となり、以前よりも戦略に幅を持たせる要素が加わりました。

結論

ピケは、その独特なルール、歴史、戦略の深さから、長い間魅了し続けたゲームです。現代のカードゲームにも影響をもたらしたこのゲームをぜひ楽しんでみてください。

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