オンブル

オンブルの魅力と歴史

オンブルは、スペイン発祥のトリックテイキングゲームであり、楽しむために賭博の要素を取り入れています。フランス語で「影」を意味するこのゲームは、時代を超えて広まり、特に17・18世紀にはヨーロッパ中に多くのプレイヤーがいました。このゲームの玩場は、たとえば日本のうんすんカルタに似た要素を持っているため、興味深い点も多いです。

名称の由来

「オンブル」という名称は、スペイン語の「オンブレ（hombre）」から派生しています。これは「男」や「人」を意味し、ゲームのプレイヤーが「Yo soy el hombre」（「私が男です」）と宣言する際に由来しています。一方、日本の文章では「オンブル」というフランス語読みが一般的です。

面白いことに、髪のグラデーション効果を指す「オンブレ（ombré）」という用語は、フランス語で「影のついた」を意味する言葉に由来していますが、オンブルとは異なる概念です。

ゲームの歴史

オンブルは、切り札を競りで決定するカードゲームとしては古い部類に入ります。以前は、切り札は偶然の要素によって決められていましたが、オンブルはその方法を変え、競技のルールを洗練させました。特に3人で遊ぶ形式が人気で、プレイヤーの一人がオンブルとなり、他の二人と対決します。時には専用のテーブルが設けられるほど流行しました。

18世紀後半には、オンブルのルールを変更して4人用に進化したカドリーユが登場し、これによってもともとのオンブルの人気は徐々に低下していきました。19世紀にはホイストゲームが主流になり、オンブルは忘れ去られてしまいます。しかし、現在でもデンマークの一部やスペイン南部、カナリア諸島では影響を受けたゲームが存在します。

ゲームのルール

オンブルは通常、3人で楽しむゲームです。使用するカードは、一般的なトランプから8・9・10を除いた40枚を用います。プレイヤーは、最初に一定額のチップをプールに置いた後、ディーラーから9枚の手札を受け取り、残りのカードは伏せられます。競技の順番は反時計回りに行われます。

カードの強弱はスートによって異なり、赤いスート（ハート・ダイヤ）の方がカードの数により強さが決まります。特に、赤いスートは数札が少ないほど強いのが特徴です。このルールは、タロットゲームや日本のうんすんカルタ、そして中国の馬弔にも共通する古典的な要素を引き継いでいます。

ビディングとプレイ

プレイの流れはディーラーの右隣のプレイヤーから始まり、自分がオンブルであると宣言するか、パスを選択します。プレイヤーが全員パスした場合は、その回は無勝負となり、チップは次回に持ち越されます。また、最初のトリックはディーラーではないプレイヤーがリードし、マストフォローのルールに沿って進行します。

勝敗の決定

ゲームが終了する際、もしオンブルが最も多くのトリックを取った場合、彼が勝者となり、プールにあるチップを獲得します。特に、最初の5トリックを全て取った時点で勝敗が明らかになることもあります。勝負の結果によって支払いやチップのやり取りが行われ、さまざまな勝敗パターンが存在します。

文学作品との関連

オンブルに関連する有名な文学作品として、ポープの詩「髪盗人」が挙げられます。この詩では、主人公がオンブルのゲームの場面に挑む姿が描かれています。

結論

このように、オンブルはその独特なルールと歴史を持ち、現代でも多くの人々に愛され続けています。遊び方が似たゲームとの共通点もあり、文化的な観点からも興味深いカードゲームと言えるでしょう。

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