ピティア (小惑星)

ピティア（仮符号：432 Pythia）は、太陽系の主要な領域の一つである小惑星帯に位置する天体として知られています。太陽と火星の軌道の間を中心に広がるこの領域には、無数の小惑星が公転していますが、その中でピティアは432番目に発見・登録された小惑星です。

この小惑星が天文学者によって初めて観測されたのは、今から1世紀以上も昔、1897年のことです。正確な日付は12月18日でした。発見の栄誉は、フランスの著名な天文学者であるオーギュスト・シャルロワ（Auguste Charlois, 1864-1910）に帰せられます。シャルロワは、フランス南東部に位置する美しい港湾都市ニースにあるニース天文台で天体観測を行っており、そこでピティアを発見しました。彼は写真観測法を用いて多くの小惑星を発見したパイオニアの一人です。

[小惑星]]の命名は、発見者が提案し、国際的な機関によって承認されるのが一般的です。小惑星ピティアの場合、その名称は古代ギリシアの豊かな神話世界に由来しています。具体的には、ギリシア神話における最も重要な神々の一柱であるアポロンに関連する人物から採られました。アポロンは予言や音楽、芸術などを司る神として広く崇拝されていましたが、特に彼の神託所は古代世界で大きな権威を持っていました。その中でも特に有名なのは、ギリシア中部にあるデルフォイの神託所です。このデルフォイの神託所で、アポロンの言葉を人々に伝える役割を担っていた巫女たちが「ピティア」と呼ばれていました。[[小惑星] Pythiaは、この神話的な予言者の名前にちなんで命名されたのです。

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