ピノス・プエンテ

ピノス・プエンテ（Pinos Puente）

ピノス・プエンテは、イベリア半島南部、スペインのアンダルシア州に属するグラナダ県に位置する基礎自治体（ムニシピオ）です。

概要と経済

この地域は、豊かな水源を利用した灌漑農業が非常に盛んに行われています。また、農業と並んで畜産業も重要な産業の一つとして、地域の経済を支えています。

歴史的背景

ピノス・プエンテの歴史は古く、かつてこの地がイスラム勢力によって支配されていたアラブ時代にまで遡ります。当時の建築物が現在も町の景観に残り、町の名の由来ともされる「ピネーロス橋」（Pineros）という名称自体が、その歴史的な名残を示唆しています。

特に重要な存在として、町を流れるガリ川に架かるピノス・プエンテ橋が挙げられます。この橋は全長49.5メートルあり、古くはアラブ時代から利用されてきました。戦略上の要衝として、約16km離れたナスル朝の首都グラナダへのアクセスにおける最後の重要な地点でした。そのため、レコンキスタの時代には、キリスト教勢力とイスラム勢力の間でしばしば激しい争奪戦が繰り広げられた歴史を持ちます。

中世、カスティーリャ王国のアルフォンソ11世（在位: 1312年 - 1350年）の治世下には、現在ピノス・プエンテの一地区となっているセロ・デ・ロス・インファンテスと呼ばれる地域が発展を遂げました。

この地の歴史において特筆すべき出来事として、1319年に発生したベガ・デ・グラナダの戦いがあります。この戦いでは、カスティーリャ王国とレオン王国の連合軍がナスル朝イスラム軍に大敗を喫しました。この敗北はキリスト教国側にとって大きな打撃となり、特にアルフォンソ11世の指揮下にあったフアン王子とペドロ王子という二人の重要な指揮官が戦死するという悲劇に見舞われました。

政治

ピノス・プエンテの自治体首長は、アンダルシア社会労働党（Partido Socialista Obrero Español de Andalucía、略称: PSOE-A）に所属するホセ・エンリーケ・メディーナ・ラミレス氏が務めています。

自治体評議会は、2011年5月22日に行われた自治体選挙の結果に基づくと、以下の構成となっています。

アンダルシア社会労働党（PSOE-A）：11議席
アンダルシア国民党（Partido Popular Andaluz、略称: PP-A）：3議席
* 統一左翼の地域支部政党連合（Izquierda Unida Los Verdes-Convocatoria por Andalucía、略称: IULV-CA）：2議席

司法行政

司法行政においては、ピノス・プエンテはグラナダ司法管轄区に属しています。

この自治体は、その肥沃な大地が生み出す農畜産物、そしてアラブ時代からキリスト教徒との係争地として重要な役割を果たした歴史的な橋など、多様な側面を持っています。

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