ピラミッド・アイ・タブレット

ピラミッド・アイ・タブレット：エクアドルから現れた謎の石造遺物

1980年代、エクアドルのラ・マナで発見された石造遺物「ピラミッド・アイ・タブレット」は、その特異な形状と謎めいた刻印から、世界中のオーパーツ研究家を魅了し続けています。高さ27センチメートルのこの遺物は、3辺からなるピラミッド型をしており、頂点には眼のような模様が象嵌されています。この眼の下には13本の水平な段が刻まれ、底面にはオリオン座の配置と、古代文字とみられる絵文字が黄金で装飾されています。

発見と公開

この遺物は、金採掘主任を務めていたギレルモ・ソトマヨーア氏によって、深さ10メートルの廃坑から発見されました。300点以上の遺物と共に発見されたこのタブレットは、その後ソトマヨーア氏から知人へ譲渡され、長らく保管されていました。

一般に知られるようになったのは、2001年ウィーンで開催された「未解明の謎展」においてです。この展覧会のコーディネーターを務めたクラウス・ドナ氏らが、ラ・マナで発見された別の遺物「石の世界地図」の調査中にこのタブレットの存在を知り、その特異な形状と刻印から、展覧会で大きく取り上げることとなりました。それ以来、ピラミッド・アイ・タブレット、ピラミッド・ストーン、ラ・マナの光のピラミッドなど、様々な名称で紹介されています。

未解明の謎：刻印と発光現象

ピラミッド・アイ・タブレットの底面に刻まれた絵文字は、クルト・シルトマン教授によって先サンスクリット文字と推定され、「創造主の息子がやってくる」と解読されています。この解釈の信憑性については、更なる研究と検証が必要です。しかしながら、この解読は、この遺物が単なる自然物ではなく、高度な技術や知識を持った古代文明によって作られた可能性を示唆しています。

さらに、ラ・マナで発見された多くの遺物と同様に、このピラミッド・アイ・タブレットも紫外線に反応し、眼と段の部分が発光する現象が確認されています。この発光現象は、遺物の材質や製造方法に関連した何らかの特殊な性質を示唆しているのかもしれません。

学術的調査の現状

2005年時点においても、ラ・マナで発見された遺物群については、学術的な調査はほとんど行われていませんでした。このため、ピラミッド・アイ・タブレットの起源、製造年代、目的など、多くの謎が残されています。今後、科学的な分析手法を用いた詳細な調査が進めば、この遺物に秘められた謎が解き明かされる可能性があります。しかし、現状では、この遺物の真価を判断するのは難しいと言わざるを得ません。

今後の展望

ピラミッド・アイ・タブレットは、古代文明の高度な技術や知識を示唆する重要な手がかりとなる可能性を秘めています。今後の研究では、材質分析、年代測定、刻印の更なる解読などを通じて、この遺物の謎に迫る必要があります。また、ラ・マナ遺跡全体の調査も、この遺物の理解を深める上で不可欠でしょう。オーパーツ研究において、このピラミッド・アイ・タブレットは、今後の研究の進展に大きく寄与する、重要なピースとなる可能性を秘めているのです。

参考文献

『神々の遺産　オーパーツの謎』、学習研究社、2005年、ISBN 978-4056040760
クラウス・ドナ、ラインハルト・ハベック著『オーパーツ大全　失われた文明の遺産』プシナ岩島史枝訳、学研、2005年、ISBN 4054024017

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