ピンクパンサー2

ピンクパンサー2

2009年に製作されたアメリカとフランス合作のコメディ映画『ピンクパンサー2』は、スティーヴ・マーティンが主演を務めるリメイク版シリーズの第2弾にあたります。前作で主人公ジャック・クルーゾー警部の上司であったドレフュス警視役は、ケヴィン・クラインからジョン・クリーズへと交代しました。

ストーリー

物語は、世界各国で歴史的かつ文化的に非常に価値の高い国宝級の遺産が立て続けに盗まれるという、前代未聞の大事件が発生するところから幕を開けます。これらの大胆不敵な犯行は、「怪盗トルネード」と呼ばれる謎めいた国際的な大泥棒の仕業であると推測され、世界中に衝撃と動揺が走ります。この前代未聞の危機に対処するため、事態の深刻さを認識した各国の政府は、共同で捜査に乗り出すことを決定します。そして、世界中から選び抜かれた、その分野で最も優秀とされる名探偵たちが招集され、合同の特別捜査チームが編成されることになります。

この精鋭揃いの国際捜査チームのリーダーという、極めて重要なポストに任命されたのは、なんとフランス警察のジャック・クルーゾー警部でした。これは、前作で思わぬ形で宝石「ピンクパンサー」盗難事件を解決に導いた彼の（少なくとも公式には）功績が認められた結果であり、大統領直々の命令によるものでした。しかし、クルーゾー警部といえば、その捜査手腕よりも、予測不能で破天荒な言動や、常に周囲を巻き込むドタバタ騒ぎで知られる人物です。彼が国際チームのトップに立ったことは、多くの関係者にとって驚きと困惑をもって受け止められました。

案の定、クルーゾー警部の型破りな、そして時として常識外れの捜査方法は、最初からチームの面々を大いに振り回します。彼は持ち前の楽天的ながらもどこかズレた思考回路と、周囲の状況を顧みないマイペースな行動様式によって、国際捜査チームを幾度となく混乱と危機に陥れます。例えば、重要な証拠品を不注意で台無しにしたり、容疑者への尋問で全く見当違いな方向に話を進めたり、潜入捜査でかえって騒ぎを大きくしてしまったりと、その失敗談は枚挙にいとまがありません。彼の無軌道な振る舞いは、真剣に事件解決を目指す他の優秀な探偵たちの士気を著しく低下させ、捜査の妨げとなるばかりか、時にはチーム全体を危険な状況に追い込んでしまいます。

また、クルーゾー警部の自己中心的な解釈や、彼の巻き起こす騒動は、仕事上の関係だけでなく、彼の個人的な人間関係にも影を落とします。特に、長年彼に振り回されてきたドレフュス警視（今作ではジョン・クリーズが演じる）との関係は、彼の新たな失敗によってさらに悪化の一途をたどります。他のチームメンバーとの間にも信頼関係は築きにくく、捜査チーム内の雰囲気は常にギクシャクしたものとなります。クルーゾー警部の存在そのものが、この国際捜査における最大の難関の一つとなるのです。

このような困難な状況の中で、果たして国際捜査チームは「怪盗トルネード」の犯行を阻止し、盗まれた文化遺産を取り戻すことができるのでしょうか。そして、クルーゾー警部は持ち前の（良くも悪くも）個性的なアプローチで、再び事件解決に導くことができるのでしょうか。それとも、彼のドタバタはひたすら事態を悪化させるだけなのでしょうか。作品は、クルーゾー警部の巻き起こすコメディ要素と、世界的な大事件の解決というミステリー要素を織り交ぜながら、観客を予測不能な捜査の旅へと誘います。

キャスト

脚注

外部リンク

• - allcinema
• - KINENOTE
• - AllMovie（英語）
• - IMDb（英語）

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