ピンク・クリーム69

ピンク・クリーム69 (Pink Cream 69)

ピンク・クリーム69は、ドイツにルーツを持つ多国籍のハード・ロック・バンドであり、1990年代初頭にその名を馳せた象徴的なグループです。彼らの音楽は、キャッチーでメロディックなスタイルが特徴で、数多くのファンを魅了しました。

結成と初期の成功

バンドは1987年に結成され、当初のメンバーは、ボーカルのアンディ・デリス（ドイツ）、ギターのアルフレッド・コフラー（ドイツ）、ベースのデニス・ワード（アメリカ）、ドラムスのコスタ・ツァフィリオ（ギリシャ出身、後にスイス市民）という構成でした。1989年にセルフタイトルのファースト・アルバム『ピンク・クリーム69』でデビューし、その後1991年にはセカンド・アルバム『ワン・サイズ・フィッツ・オール』をリリース。このアルバムはドイツのアルバム・チャートで22位、スイスでは21位にランクインし、着実に人気を集めていきました。

音楽性の変遷と確執

3作目となる『ゲームズ・ピープル・プレイ』では、オルタナティヴ・ロックの要素が強く取り入れられましたが、評判は芳しくなく、売上も伸びませんでした。メンバー間の対立が深まった結果、アンディ・デリスは脱退し、ハロウィンのボーカリストとして新たな道を歩み始めました。その後、イギリス人ボーカリストのデイヴィッド・リードマンがバンドに加入し、活動を続けることになりました。

低迷期と回帰

その後リリースされた4作目『チェンジ』と5作目『フード・フォー・ソート』は、モダン・ヘヴィネスの影響を強く受けつつも、日本やヨーロッパではあまり人気を得られず、バンドは徐々に忘れられた存在となりました。しかし、6作目『エレクトリファイド』においては、初期のメロディ重視のハードロックに回帰したことで再び好評を得ることに成功しました。

現在の状況

その後もメロディアスなハードロックとパワーメタルを基盤に活動を続け、アルバムをリリースし続けていますが、メンバーの多忙や他のプロジェクトとの兼ね合いにより、活動はやや停滞気味になっているのも事実でした。

2012年にはコスタが脱退し、新たにクリス・シュミットが加入、続いて2019年にはデニス・ワードが脱退し、マグナムに参加しました。2020年にはウヴェ・ライトナウアーがバンドを去り、マルコ・リートとローマン・ベセートが新たに加入しました。2023年の夏には、オリジナルメンバーのアルフレッドも脱退し、1987年の結成以来のメンバーが全てバンドを去ることとなりました。

現在のメンバーとディスコグラフィ

現行メンバーは、デイヴィッド・リードマン（ボーカル）、アルフレッド・コフラー（ギター）、マルコ・リート（ギター）、ローマン・ベセート（ベース）、クリス・シュミット（ドラム）を含んでいます。

スタジオ・アルバムとしては、これまでに『ピンク・クリーム69』や『ワン・サイズ・フィッツ・オール』、さらには『ゲームズ・ピープル・プレイ』、『エレクトリファイド』など多くの作品を発表。また、ライブ・アルバムもリリースされており、バンドの音楽活動は多岐にわたります。

今後の活動にも期待が寄せられ、ピンク・クリーム69は未だに多くのファンから支持され続けています。

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