ピースメイカー (DCコミックス)

ピースメーカー：平和を求める過激なヒーロー

ピースメーカーは、チャールトン・コミックスで誕生し、後にDCコミックスに買収されたスーパーヒーローです。初登場は、1966年11月の『Fightin' 5』#40で、ジョー・ギルとパット・ボイエットによって生み出されました。当初は、平和のために非殺傷兵器を使う外交官という設定でしたが、その後のリブートで大きく設定が変更されました。

キャラクターの変遷

当初のピースメーカーは、平和のために戦う外交官という設定で、自ら開発したコスチュームには高い防御力があり、マスクにはレーザー光線や超音波ビームなどのギミックが搭載されていました。しかし、クライシス・オン・インフィニット・アース後のリブートで、キャラクターは大きく変化します。

新たな設定では、クリストファー・スミスは、父親のヴォルフガング・シュミットが第二次世界大戦中にナチスの強制収容所で指揮を執っていたことが原因で、深いトラウマを抱える人物として描かれています。父親が戦犯として起訴され自殺したことがきっかけで、クリストファーは幻聴に悩まされるようになり、精神疾患を抱えるようになりました。

その後、姓をスミスに変えアメリカに移住したクリストファーは、18歳で陸軍に入隊します。ベトナム戦争で情報部のミスと父親の幻影に惑わされ、罪のない人々を虐殺してしまい、軍法会議で終身刑を宣告されます。その後、仮釈放を条件にアメリカ政府の対テロ部隊に参加し、ピースメーカーとして秘密警察組織に加わることになります。しかし、依然として精神疾患を患っており、殺した人物の魂がヘルメットに宿り、自分に語りかけていると信じているという、複雑なキャラクターとして描かれています。

出版経歴

ピースメーカーは、1966年11月にチャールトン・コミックスの『Fightin' 5』#40でデビューしました。その後、自身のタイトルを持つようになり、1967年3月から11月まで5号が発行されました。チャールトン・コミックスが消滅した後、DCコミックスが「ザ・ピースメーカー」を買収し、1988年1月から4月にかけて4号のミニシリーズを刊行しました。これらの作品は、後のピースメーカーのキャラクター像に大きな影響を与えています。

その他のメディア

クリストファー・スミスのピースメーカーは、DCエクステンデッド・ユニバースの実写版映画に登場し、ジョン・シナが演じています。2021年の映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』で映画デビューを果たし、その後のスピンオフドラマ『ピースメイカー』では主人公として活躍しています。

映画『ザ・スーサイド・スクワッド』では、チームの一員としてイェトゥンヘイムの研究施設と「スターフィッシュ計画」の証拠隠滅のためにコルト・マルタに派遣されます。しかし、アメリカ政府がプロジェクトに関与していることを隠蔽するため、チームメイトのリック・フラッグを殺害してしまいます。この行為は、ピースメーカーの過激さと内面の葛藤を象徴する出来事として描かれています。

その後、重傷を負いながらもアメリカに脱出したピースメーカーは、スピンオフドラマ『ピースメイカー』で再び活躍することになります。ドラマでは、彼の過去や内面がさらに深く掘り下げられ、より複雑なキャラクターとして描かれています。

まとめ

ピースメーカーは、その複雑な背景と二面性を持つキャラクターから、多くのファンを魅了しています。平和を求める一方で、トラウマと精神疾患に苦しみ、過激な行動に走る彼の姿は、ヒーローという概念を問い直すものとして、様々なメディアで描かれ続けています。

脚注

Peacemaker at International Superheroes
Peacemaker at Comics101
* チャールトン・アクション・ヒーローズの地球4での冒険へのインデックス

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