ピーターバラ大聖堂

ピーターバラ大聖堂

ピーターバラ大聖堂（Peterborough Cathedral）は、イギリスのピーターバラにある有名なイングランド国教会の大聖堂です。この大聖堂はペトロ、パウロ、そしてアンデレに献堂されており、主教座を持つ重要な宗教的建物です。特に、ウエスト・フロントに見られる聖人たちの大きな像が特徴的で、来訪者を圧倒する美しさを誇ります。この大聖堂はアングロサクソン時代からの歴史を持ち、主に12世紀に再建されたノルマン様式の建築として知られています。

歴史的背景

この大聖堂の原型は、655年にマーシア王ピアダによって設立された『ミードシャンプステッド修道院』です。これがキリスト教化の中心地となり、872年のヴァイキングの襲撃まで賑わいを見せました。10世紀半ばに再建されたものの第2の修道院の寄付により、地域の富が増し、この場所は「ピーターバラ」と名付けられました。972年にはカンタベリー大司教ドゥンスタンにより、共同体が復活しました。

ノルマン様式と中世建築の発展

ノルマン人の侵攻によって一時損傷を受けながらも、1118年には修道士ジョン・ド・サイスにより新たな大聖堂の建設が始まりました。1193年には中央の塔と装飾された木製天井を含む本堂の西部が完成しました。この美しい天井は今も現存するもので、ヨーロッパ中でも数少ない例の一つとされています。

古くからのバーナックの石灰岩で作られた大聖堂は、1237年に西交差廊が施工され、西側のポルチコも追加されました。中世の石工たちは、新しいゴシックスタイルに取り組み、窓のデザインが変化しました。また、16世紀初頭には新しい構造が加わり、その完成形は800年の時を経てもほぼ原型をとどめています。

修道院と聖遺物の重要性

12世紀半ばの聖職者ヒュー・カンディダスの記録によると、大聖堂にはさまざまな聖遺物が安置されていました。これには赤子のキリストの産着や、聖母マリアの衣服の一部などが含まれます。その中でも特に聖オズワルドの腕は有名です。ただし、宗教改革の時期に失われてしまいました。

テューダー朝とその後

1541年にヘンリー8世によって修道院が解散され、聖遺物は失われますが、大聖堂は新たにピーターバラ主教座として選ばれました。キャサリン・オブ・アラゴンの墓もこの大聖堂に埋葬されており、現在でも人々に訪れられています。

近代の変遷

1643年、イングランド内戦によって大聖堂は荒廃し、多くの貴重なものが破壊されました。17世紀から18世紀には一部の修復が行われましたが、1883年には大規模な修繕事業が開始されました。近年では2001年に火災が発生するなどの不運もありましたが、現在も美しい姿を保ち続けています。過去の壮大さと現代の修復技術が融合したこの大聖堂は、訪れる人々に強い印象を与えています。

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