ファイアマン賞

ファイアマン賞は、1981年から2002年まで日本のプロ野球において、顕著な活躍を見せた救援投手を称えるために設けられた賞です。メジャーリーグで救援投手が「ファイアマン（消防士、火消し役）」と称されることに着想を得て、当時の安田火災海上保険（現・損害保険ジャパン日本興亜）が協賛となり創設されました。

初期の正式名称は「安田火災ファイアマン賞」でしたが、2002年には「損保ジャパンファイアマン賞」と改称されました。この賞は、単にセーブ数を競うだけでなく、救援投手としての総合的な貢献度を評価する独自の選考基準を用いていた点が特徴です。

選考方法としては、セ・パ両リーグの救援投手を対象に、公式戦での成績に基づき「ファイアマンポイント」を算出しました。このポイントは、（救援勝利数＋セーブ数）×2－救援敗戦数という計算式で算出され、最も高いポイントを獲得した投手が各リーグから1名ずつ選ばれました。勝利に貢献するだけでなく、敗戦を減らすことも評価の対象とする点が、この賞のユニークな点でした。

受賞者には、賞金に加え、日本の伝統的な消防隊である町火消の象徴である纏（まとい）と法被が副賞として贈られました。これは、ピンチの場面を「火消し」として鎮火する救援投手の役割を象徴するものであり、賞の独自性を際立たせていました。

しかし、協賛企業であった損保ジャパンが2002年度に業務見直しを理由に撤退したため、残念ながら同年を最後にファイアマン賞は廃止されました。短い期間ではありましたが、数々の名投手がこの賞を受賞し、その功績を讃えられました。ファイアマン賞は、日本のプロ野球における救援投手の重要性を高め、その活躍を称える上で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

歴代受賞者については、以下の情報源を参照ください。（実際の受賞者リストは割愛）
[参考資料1]
[参考資料2]

この賞は、現代野球においてますます重要性が高まっているリリーフ投手の価値を改めて認識させてくれるものであり、その歴史を振り返ることは、プロ野球の魅力を再発見することにも繋がります。

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