ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

ファイアーエムブレム 聖戦の系譜

『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』は、1996年にスーパーファミコンで発売された、ファイアーエムブレムシリーズの第4作です。シリーズの世界観を一新し、新たなシステムを多数導入した意欲作として、今もなお多くのファンに愛されています。2021年からはNintendo Switch Online加入者特典として配信されています。

概要

本作の舞台は、ユグドラル大陸。かつて「聖戦」と呼ばれる戦いによって平和がもたらされたという伝説が残る地で、国家間の戦争や宗教組織の陰謀が渦巻く物語が展開されます。前作『ファイアーエムブレム 紋章の謎』と同様の二部構成であり、シグルド編とセリス編で主人公が交代します。

開発者は、本作の製作における趣旨について「戦争の悲惨さを伝えること」を挙げています。主人公シグルドや、その親友キュアン、エルトシャンらの悲劇的な運命を通して、戦争の残酷さをプレイヤーに訴えかけます。

ストーリー

前史

物語は、グラン歴440年にガレという男がロプトウスの生き血を飲んだことから始まります。彼は暗黒神ロプトウスを崇拝するロプト教団を創設し、グラン共和国を滅ぼしてロプト帝国を成立させました。その後、虐殺や子供の生贄など、暴虐の限りを尽くします。

535年には、ロプト帝国の皇族である聖騎士マイラが反乱を起こしますが失敗。632年には、ダーナ砦に僅かな生き残りが追い詰められます。そこへ竜族の王ナーガが現れ、11人の同胞と共に、ロプトウスの力を封じ込めた武器を授けます。これにより十二聖戦士が誕生し、648年にはロプト帝国が倒され、グランベル七公国と周辺五王国が建国されました。

シグルド編

グラン歴757年、イード砂漠の友好都市ダーナがイザーク王国に攻め込まれたとの知らせがグランベル王国に届きます。国王アズムールは、息子のクルト王子を諸侯と共に遠征させますが、その隙にヴェルダン王国がユングヴィ公国を制圧。ユングヴィ城の公女エーディンが誘拐されたことを知ったシアルフィ公国の公子シグルドは、彼女を救うために挙兵します。

バーハラの悲劇

シグルドは、数々の戦いを経て、ついにグランベル王国の王都バーハラに辿り着きます。しかし、そこで待っていたのは、ヴェルトマー公アルヴィスの裏切りでした。最愛の妻ディアドラとの再会も束の間、シグルドはアルヴィスの炎魔法によって命を落とし、シグルド軍も壊滅。その後、アルヴィスはグランベル帝国を建国し、初代皇帝として即位します。

セリス編

バーハラの戦いから17年後、シグルドの遺児セリスは、イザークの隠れ里で匿われていました。しかし、帝国の討伐軍が迫り、セリスは解放軍の盟主として立ち上がります。多くの仲間たちと共に、セリスは帝国に支配された国々を解放していくのでした。

ゲームシステム

本作では、従来のシリーズから大幅にゲームシステムが変更されています。スキルシステム、武器の三すくみ、騎乗ユニットの再移動など、後のシリーズにも受け継がれるシステムが多数導入されました。また、広大なマップを転々とする戦闘、代替わりによる能力継承、恋愛システムなど、本作ならではの要素も多く含まれています。

伝説の武器

本作には、十二聖戦士が使用したとされる伝説の武器が登場します。これらの武器は、装備者の能力を底上げする効果を持ち、物語の重要な要素となっています。

主な伝説の武器
神聖魔法ナーガ
聖剣ティルフィング
聖弓イチイバル
聖斧スワンチカ
聖杖バルキリー
炎魔法ファラフレイム
雷魔法トールハンマー
魔剣ミストルティン
神剣バルムンク
天槍グングニル
地槍ゲイボルグ
風魔法フォルセティ
* 暗黒魔法ロプトウス

シリーズへの影響

『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』は、その革新的なシステムと重厚なストーリーによって、シリーズに大きな影響を与えました。特に、親子二代にわたる物語や恋愛システムは、後の作品にも受け継がれ、シリーズの魅力を高める要素となっています。

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