ファイナライズ

ファイナライズとは

ファイナライズ（Finalize）とは、CD-RやDVD-Rなどの追記型メディアにおいて、記録した情報を他の機器でも再生できるようにするための処理です。元々、CDやDVDは読み取り専用メディアとして開発されました。そのため、追記型メディアは規格が異なるため、記録を終えた後、ファイナライズという作業が必要になります。

背景

CDやDVDは、当初、音楽CDや映画DVDのように、最初から情報が記録された読み取り専用メディアとして開発されました。その後、CD-RやDVD-Rなどの記録型メディアが登場しましたが、これらは読み取り専用メディアとは異なる規格です。記録型メディアは、追記可能である一方、記録途中ではデータの範囲や配置に関する情報が未完成であり、未記録領域も存在します。そのため、再生専用のCD/DVDプレーヤーでは、記録途中のディスクを読み込むことができませんでした。

ファイナライズの役割

ファイナライズは、この問題を解決するために考案された処理です。ファイナライズを行うことで、記録型メディアは、あたかも読み取り専用メディアのように、データの範囲や配置状態に関する情報が完結します。また、未記録領域をなくすために、ダミーデータなどの情報が記録されます。これにより、記録した機器だけでなく、他の再生機器（DVDプレーヤーなど）でも再生できるようになります。

例えば、DVDレコーダーで録画したDVD-Rを、別のDVDプレーヤーで再生するには、ファイナライズが必要です。ファイナライズされていないディスクは、データがどこにあるか分からないため、再生エラーが発生します。

家電製品での注意点

DVDレコーダーなどでは、録画終了時に「ファイナライズしますか？」という確認メッセージが表示されないことがあります。そのため、ファイナライズをせずに録画を終えてしまうと、他の機器で再生できなくなります。特に注意が必要なのは、DVD-Rのような追記型ディスクです。一度ファイナライズしたディスクは、ファイナライズ前の状態に戻すことはできません。

一方、DVD-RWのような書き換え型ディスクでは、ファイナライズ解除と呼ばれる処理で、ファイナライズ前の状態に戻すことができます。

最近では、パソコンでのCD作成も一般的ですが、通常、書き込み後に自動的にファイナライズされるため、追記はできません。

メディア・フォーマットによる差異

以下に、メディアの種類によるファイナライズの必要性について説明します。

音楽CD形式（CD-R/RW)
パソコン用のライティングソフトや音響機器のCDレコーダーでは、未ファイナライズの音楽CDを作成できる場合があります。しかし、他の機器で再生するためにはファイナライズが必要です。

DVD-RAM
DVD-RAMにはファイナライズの概念がありません。誤削除防止のため、カートリッジ入りメディアの場合は、カートリッジに書き込み禁止状態にするスイッチが付いています。現在主流のカートリッジなしメディアでも、DVDレコーダーによっては消去防止のプロテクトを設定できます。

Blu-ray Disc（BD-R/RE）
DVD-RAMと同様に、ファイナライズの概念がありません。プレイステーション3などの再生専用機器でも、未使用領域があるメディアを再生可能です。BDレコーダーによっては、消去防止のためのプロテクト処理（解除可能）やクローズ処理（BD-Rのみ）を施すことができます。ただし、BD-Rをクローズ処理した場合、ムーブバック（BD-RからBDレコーダーへ書き戻し）はできません（コピーフリー番組はダビング可能）。

HD DVD-R
東芝RD-A301の取扱説明書によれば、他機器で再生するためにはファイナライズが必要です。


ファイナライズは、記録したメディアを様々な機器で再生するために重要な処理です。特に、DVD-Rなどの追記型メディアを使用する際は、ファイナライズの必要性を理解しておきましょう。

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