ファイナルファンタジーIII (リメイク版)

『ファイナルファンタジーIII』3Dリメイク版について

本稿では、1990年にファミリーコンピュータで初めてリリースされた「ファイナルファンタジーIII」の3Dリメイク版について詳しく解説します。このリメイクは、2006年にニンテンドーDS向けに発売されて以来、様々なプラットフォームに移植されました。その中には、iOS、Android、PlayStation Portable、Ouya、そしてSteam等があります。本稿では主に、オリジナル版との違いやリメイクの制作経緯、各プラットフォームにおける特長について記述します。

制作の背景と移植の歴史

リメイク制作の経緯は、2000年頃に遡ります。当初、『FFIII』はワンダースワンカラーへのリメイクが計画されていましたが、販売不振により開発が中止。続いてゲームボーイアドバンスへの移植が検討されましたが、こちらも具体化せずじまいでした。

このような流れが続く中、2004年にニンテンドーDSでのリメイクが正式に発表されました。リンおよびプログラミングを手掛けた株式会社マトリックスが開発に参加し、オリジナル発売から16年後の2006年にリリースされました。このリメイク版は、グラフィックやシステムの大幅な改良が施された初めての作品として注目されました。

システムやゲームプレイの変更点

リメイク版では、オリジナル版に対して数多くの改善が行われています。特にジョブチェンジシステムに関しては、自由にジョブを選び変更できるものの、各ジョブの性能が見直され、均一化が図られています。これにより、すべてのジョブが最後まで活躍できる特性が与えられました。

また、戦闘システムもアップデートされ、特にモンスターの出現制限が設けられ、最大出現数が三体とされました。この変更により、バランスが見直され、戦略的な要素が強化されました。さらに、グラフィックは全て3Dに移行し、キャラクターたちが動き回る様子や表情の変化がリアルに表現されるようになりました。

プラットフォーム別の特長

ニンテンドーDS版

このリメイクでは、タッチペン操作が可能で、フィールドには常に世界地図が表示されるなど、ユーザーインターフェースが大きく改善されました。また、タッチペンにより、プレイヤーのアクションが直感的に行えるようになっています。

スマートフォン版

2011年にリリースされたiOSおよびAndroid版は、グラフィックが高解像度に改善され、イベントや背景も新しく全てリメイクされています。さらに、通信機能が削除され、プレイヤーが自らのペースでゲームを進められるように配慮されています。

PlayStation Portable版

2012年にはPSP版も発売。こちらでは、オリジナルモードやオートバトルモードが追加され、プレイヤーが好みに合わせたプレイスタイルを楽しめる多様性が加わっています。

Steam版

最も近年リリースされたSteam版では、オープニングムービーやギャラリーモードが追加され、さらなる視覚的・体験的な要素が豊富になっています。また、互換性を持たせた多機種展開は多くのプレイヤーに支持されています。

評価と印象

リメイク版は幅広い世代から高い評価を受けており、特にゲームバランスの調整やビジュアルの進化が注目されています。ニンテンドーDS版は「ファミ通」のクロスレビューで34点を得て「殿堂入りゴールド」として評価され、引き続きPSP版やSteam版も類似の評価を受けています。

このように、『ファイナルファンタジーIII』のリメイク版は、プレイヤーに新たな体験を提供しつつも、オリジナルの魅力を保ちながら幅広いプラットフォームへ展開されています。シリーズの長い歴史の中でも、このリメイクは多くのファンに親しまれる作品となっています。

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