ファッション・ウィーク

ファッションウィークとは

ファッションウィークとは、服飾の新作発表会、つまりファッションショーの中でも、特に約1週間にわたって開催されるものを指します。日本では「コレクション」と呼ばれることもあります。

デザイナーやブランドが最新作をランウェイで披露し、バイヤーやメディア関係者が最新の流行情報を入手する機会であり、今後のシーズンのトレンドが発信される重要なイベントとして位置づけられています。

特に有名なのは、ファッションの都と呼ばれる世界4都市（ミラノ、パリ、ニューヨーク、ロンドン）で開催されるファッションウィークで、それぞれ「ミラノ・コレクション」、「パリ・コレクション」、「ニューヨーク・コレクション」、「ロンドン・コレクション」と呼ばれ、これらは世界四大コレクションと総称されることもあります。これらの4都市に限らず、ファッションウィークは世界各地の都市で開催されています。

歴史

ニューヨークで初めてファッションウィークが開催されたのは1945年です。当時、フランスのファッションへの関心が非常に高かったため、アメリカ国内のファッションに関心を向けさせる目的がありました。第二次世界大戦の影響でパリへの渡航が困難だったことも、この動きを後押ししました。

それまで国内デザイナーに注目していなかったファッションジャーナリストに作品を披露する場として、エレノア・ランバートが「プレス・ウィーク」を立ち上げました。これが現在のニューヨーク・コレクションの前身です。

プレス・ウィークは当初、ホテルやギャラリーなど場所が定まっていませんでしたが、マイケル・コースのショーで構造上の問題が生じたことをきっかけに、マンハッタン区のブライアント・パークで開催されるようになりました。その後、2010年にリンカーン・センターに移転するまで、同地で開催されました。

ファッションウィークのような催しは、プレス・ウィーク以前からアメリカ中に存在していました。アメリカ初のファッションショーは、1903年にニューヨークのショップ「エーリック・ブラザーズ」が、中流階級の女性を呼び込むために開催したものです。

1800年代にクチュール・サロンで行われていた「ファッション・パレード」も、ショーの原型とされています。これらの「パレード」はショップを宣伝し、その価値を高めるのに効果的だったため、1920年代には国中の小売店がショーを活用するようになりました。この頃にはショーにステージが設けられ、ショップ内のレストランでランチタイムやティータイムに開催されました。当時は演劇的な要素が強く、物語形式のコメントが用いられ、テーマに沿ったショーが展開されました。これらのショーは人気を博し、1950年代には、ニューヨークのショップがモデルを雇用するためのライセンスを取得する必要があるほど、大規模なものになりました。

特色

ファッションウィークは、年2回、世界4都市（ミラノ、パリ、ニューヨーク、ロンドン）で開催されます。次のシーズンに向けた新作デザインを、バイヤーや報道機関が事前に知ることができるよう、当該シーズンより数ヶ月前に開催されます。

1月から4月にかけては秋冬物、9月から11月にかけては春夏物が披露されます。小売店は、実際のシーズンが始まるまでの期間を利用して、新作の購入を手配したり、デザイナーと契約を結んで販売戦略を立てたりします。

また、有名デザイナーが革新的なデザインを発表するのもファッションウィークの期間です。これらの最新コレクションは、「ヴォーグ」などのファッション雑誌に取り上げられ、トレンドの発信源となります。

スケジュール

年間の主要シーズンは、秋冬シーズンと春夏シーズンに分けられ、このスケジュールに基づいてファッションショーが開催されます。

女性服のファッションウィークは、年2回、4つのファッション都市によって主催されます。どちらのシーズンも、ニューヨークから始まり、ロンドン、ミラノと続き、パリで終わります。男性服のファッションウィークは、ロンドン、ミラノ、パリの3都市によって主催されます。

女性服の場合、秋冬は常に2月のニューヨークから始まり、3月のパリで終わります。春夏は9月のニューヨークから始まり、10月のパリで終わります。男性服の秋冬ウィークは、1月のロンドンとミラノで1週間ほど続き、その後、パリが同じ程度の日数で開催されます。春夏は6月に始まります。

女性向けのオートクチュールのファッションショーは、パリでの男性服のショーに続いて行われます。「シャンブル・サンディカル・ルール」と呼ばれるオートクチュールの規定により、オートクチュールはパリでのみ発表が許可されています。

従来のシーズンの枠組みでは、秋冬と春夏の間に大きなギャップがあるため、その間の期間を狙ったコレクションも増えています。従来のシーズンのオートクチュールやプレタポルテが主に富裕層向けであるのに対し、これらのコレクションは一般消費者向けで、次のシーズンまでの待ち時間を短縮する効果があります。開催時期は固定されていませんが、既存シーズンの3ヶ月後に開催されるのが一般的です。

デザイナーの中には、自身の活動拠点以外の都市でコレクションを披露する人もいます。例えば、パリを拠点とするカール・ラガーフェルドは、シャネルのコレクションをモスクワ、ロサンゼルス、モンテカルロで披露しました。コスト削減や、シーズン間にあたるこの時期の方が自身の作品をより理解してもらえるという考えから、従来のショーに対抗して、シーズン間にプレゼンテーションを行うデザイナーも増えています。

ファッションウィークの中には、特定のジャンルに特化したものもあります。例えば、価格を重視したクリスチャン・ファッションウィークや、水着に特化したマイアミ・ファッションウィークとリオ・サマー・ファッションウィークなどがあります。

プレタポルテやパリのオートクチュール・コレクションでは、デザイナーオリジナルの独創的な作品が発表されます。中には、ブライダル専門のファッションウィークや、環境に配慮した服飾を披露するポートランド・ファッションウィークもあります。プレタポルテの牽引役には、ブレッドアンドバター・トレードショーがあります。

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