ファニーゲーム

ファニーゲーム (1997年映画)

『ファニーゲーム』は、1997年に制作されたミヒャエル・ハネケ監督によるオーストリア映画。2001年10月20日に日本で公開され、観る者に深い衝撃を与える作品として知られています。

概要

この映画は、カンヌ国際映画祭に出品された際、その過激な内容からヴィム・ヴェンダース監督を含む多くの観客が席を立つという異例の事態を引き起こしました。また、ロンドンではビデオの発禁運動が起こるなど、社会現象にもなりました。

特徴的なのは、直接的な暴力描写を極力避け、観客に想像させる演出です。さらに、犯人たちが時折、映画を見ている観客に目配せをしたり、直接語りかけたりするメタフィクション的な手法も用いられています。これにより、観客は物語に引き込まれつつも、どこか醒めた視点を持つことを強いられます。音楽面では、ジョン・ゾーンの楽曲「Bonehead」と「Hellraiser」が効果的に使用されています。

2008年には、ミヒャエル・ハネケ監督自身が、ナオミ・ワッツとティム・ロスを主演に迎え、『ファニーゲーム U.S.A.』としてハリウッドリメイクしました。

ストーリー

ある夏の午後、ショーバー一家は休暇のため、レンジローバーで別荘へと向かいます。道中、クラシック音楽のクイズを楽しみながら、隣人のベーリンガー夫妻と挨拶を交わします。ベーリンガー夫妻の家には、白いシャツと半ズボン、白い手袋を身に着けた見慣れない若い男たちがいました。

別荘に到着後、妻のアンナは夕食の準備を始め、夫のゲオルクと息子のジョージは翌日のセーリングの準備に取り掛かります。そこへ、先ほどのベーリンガー夫妻の家にいた男の一人が、卵を分けてほしいとアンナに頼みに来ます。

アンナは快く卵を渡しますが、男はわざとらしく2度も卵を落として割ってしまいます。3度目の訪問時、男の不遜な態度に業を煮やしたゲオルクが平手打ちをすると、男は豹変。近くにあったゴルフクラブでゲオルクの足を殴りつけ、身動きの取れなくなった彼を人質に、一家を別荘に監禁します。

2人の男は、全く悪びれる様子もなく、怯える一家に親しげに話しかけ、まるで自分たちの家であるかのようにくつろぎ始めます。そして夜になると、一家に恐ろしい提案を持ちかけます。「明日の朝まで、君たちが生きているかどうか賭けをしないか？我々は死んでいる方に賭けるから、君たちは生きている方に賭けろ」という一方的な殺害予告に、一家は絶望します。しかし、男たちは観客に向かって「あなたは彼らに勝って欲しいんでしょう？」と問いかけ、物語への介入を促します。

こうして、一家の命をかけた、残酷で悪夢のようなゲームが幕を開けます。

キャスト

アンナ：スザンヌ・ロタール
ゲオルク：ウルリッヒ・ミューエ
パウル：アルノ・フリッシュ
ペーター：フランク・ギーリング

スタッフ

監督・脚本：ミヒャエル・ハネケ
製作：ファイト・ハイドゥシュカ
撮影：ユルゲン・ユルゲス

外部リンク

ファニーゲーム - allcinema
* Funny Games - IMDb（英語）

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