ファブラ ノヴァ クリスタリス ファイナルファンタジー

「ファブラ ノヴァ クリスタリス ファイナルファンタジー」（FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY）は、スクウェア・エニックスが展開するコンピュータRPG「ファイナルファンタジー」シリーズ内の作品群、およびそのプロジェクト名です。各作品はそれぞれ異なる舞台設定を持っていますが、根底には共通の神話が存在しています。「ファブラ ノヴァ クリスタリス」はラテン語で「新しいクリスタルの物語」という意味を持ちます。

作品一覧

このプロジェクトには、以下の作品が含まれます。

ライトニングサーガ

ライトニングを主人公とする一連の物語で、以下の3作品で構成されています。

ファイナルファンタジーXIII（2009年12月17日発売、PlayStation 3）
ファイナルファンタジーXIII アルティメット ヒッツ インターナショナル（2010年12月16日発売、Xbox 360）
ファイナルファンタジーXIII-2（2011年12月15日発売、PlayStation 3、Xbox 360）
ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII（2013年11月21日発売、PlayStation 3、Xbox 360）

その他の作品

ファイナルファンタジー零式（2011年10月27日発売、PlayStation Portable） - 元々は『ファイナルファンタジーアギトXIII』というタイトルでした。
ファイナルファンタジーアギト（2014年5月15日配信開始、2015年11月30日サービス終了、iOS・Android） - 『ファイナルファンタジー零式』と共通の舞台設定を持つ基本無料ゲーム（アイテム課金あり）。PlayStation Vita版のオンラインRPG『ファイナルファンタジーアギトプラス』も計画されていましたが、スマホ版のサービス終了に伴い開発が中止されました。
ファイナルファンタジーXV（2016年11月29日発売、PlayStation 4|PlayStation_4、Xbox One） - 元々は『ファイナルファンタジーヴェルサスXIII』というタイトルで、プラットフォームがPlayStation 3から変更されました。

アニメーション作品

キングスグレイブ ファイナルファンタジーXV
ブラザーフッド ファイナルファンタジーXV

名称について

プロジェクト名の「ファブラ ノヴァ クリスタリス」はラテン語に由来すると公式に発表されていますが、「クリスタルの」という意味には正確にはなりません。「クリスタル」を意味するラテン語 "crystallum" を「クリスタルの」という意味にするには、"crystalli" または "crystallorum" とする必要があります。綴りの "crystallis" は複数与格と複数奪格にのみ用いられ、「クリスタルの」という意味にはならないため、正確なラテン語の表現ではありません。

名称の変遷

プロジェクトは2006年5月8日に「ファブラ ノヴァ クリスタリス ファイナルファンタジーXIII」として発表されました。当初、『ファイナルファンタジー零式』は『ファイナルファンタジーアギトXIII』、『ファイナルファンタジーXV』は『ファイナルファンタジーヴェルサスXIII』というタイトルで、『FFXIII』シリーズの一部とされていました。開発スタッフの野村哲也氏によれば、これらの作品は外伝ではなく、それぞれが『XIII』であり、タイトルは無印の『XIII』と区別するためのものでした。しかし、2011年1月18日に『ファイナルファンタジーアギトXIII』が『ファイナルファンタジー零式』に改題された際、プロジェクト全体の名称も「XIII」を除いた「ファブラ ノヴァ クリスタリス ファイナルファンタジー」に変更されました。同時に、神話の内容が具体的に語られるようになりました。さらに2013年6月10日には、『ファイナルファンタジーヴェルサスXIII』もシリーズ15番目のナンバリングタイトル『ファイナルファンタジーXV』に改題され、「XIII」を冠する作品はライトニングサーガの3作品のみとなりました。

神話の設定

このプロジェクトの根底にある神話には、以下の神々が登場します。

ムイン：母なる神。ブーニベルゼに倒され、「不可視世界」に姿を消しました。
ブーニベルゼ：ムインを倒して世界を支配した神。世界が滅びの運命にあるのはムインの呪いと考え、「不可視世界」のムインを追うために、3体のファルシを作り、クリスタルとなって眠りにつきました。FF13-2では、ノエルがカイアスの心臓を突き刺してエトロを消滅させたことで混沌が可視世界に流入し、世界の終わりを悟ったブーニベルゼはライトニングを人々の救済者に指名しました。
ファルシ＝パルス：世界を開き、「不可視世界」への扉を見つける使命を与えられたファルシ。多くのファルシとルシを生み出しました。人間からは全能神とされています。FF13では、グラン＝パルスを管轄していました。LRFF13では、悠遠の彼方にいたことが判明します。
ファルシ＝エトロ：ムインにそっくりの姿で誤って生まれたファルシ。何の使命も与えられませんでした。悲しみから流した血から人間が生まれ、心が与えられました。人間からは死神と思われています。FF13ではさまざまな奇跡を引き起こしましたが、力を使い果たして衰弱しました。また、FF13-2に登場するユールに「時詠み」の能力を授け、カイアスに自身の「混沌の心臓」を与え、ユールが見た歴史を集積させる使命を与えました。FF13-2の最後に、ノエルによって消滅しました。この影響で可視世界に混沌が流入し、人は年を取らなくなり、寿命を迎えることがなくなりましたが、新しい命も生まれなくなりました。
ファルシ＝リンゼ：エトロの代わりに生まれたファルシ。ブーニベルゼを脅威から守り、「不可視世界」への扉が見つかったら起こす使命を与えられました。多くのファルシとルシを生み出しました。人間からは守護神とされています。FF13の主な舞台となったコクーンを創造したファルシで、グラン＝パルスの一部を切り取り、人間を養殖する場所を作りました。LRFF13では、玄奥の最中にいたことが判明します。

この神話は、各作品に共通する要素であり、物語に深みを与えています。

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