ファミコン風雲児

『ファミコン風雲児』は、池原しげとによる漫画作品で、1985年から1987年にかけて月刊『コミックボンボン』で連載されました。全7巻の単行本が刊行されています。

概要

ファミコンブームの時代に、ファミコンを題材にした漫画は数多く存在しましたが、『ファミコン風雲児』は一線を画していました。他の作品がゲームプレイの様子を描くのに対し、本作はファミコンをコンピュータとして捉え、情報技術を駆使した物語を展開しました。

作中には、フロッピーディスク、サブルーチン、アスキーコード、逆アセンブル、音響カプラなど、当時の最先端技術が登場します。これらのマニアックな要素と、ワイヤレスコントローラーや携帯型ファミコンといった子供心をくすぐるアイテムが組み合わされています。主人公たちが協力して悪に立ち向かうという王道のストーリー展開も魅力です。

ゲームボーイ発売後には、同作者による兄弟作品『ロックンゲームボーイ』が連載され、『ファミコン風雲児』のエッセンスが引き継がれました。

現在、単行本は絶版となっています。

あらすじ

プログラマーを目指す天竜研（ケン）、五代財閥の御曹司である五代一馬、電子工作が得意な加藤卓也の3人は、ファミコン少年「コンボイ」として活躍しています。彼らは、ファミコンによる世界征服を企む謎の組織「シャドウ」と、ファミコンを武器に激しい戦いを繰り広げます。

登場人物

コンボイ

天竜研（ケン）: プログラマーを目指す少年。ゲームプログラムの解析や改造が得意。
五代一馬: 五代財閥の御曹司。豊富な知識を持つ。
加藤卓也: 電子工作の達人。携帯用ファミコンなどを自作する。
立花桃子: ピアニストを目指す少女。シャドウのエージェントだったが、コンボイの一員となる。
シャーロック＝エドワード: アメリカの少年。FBIの特務捜査官。

シャドウ

ドクター444号: ロボットゲーマー「キングゴリラ」を使う。
キングゴリラ: シャドウの技術を結集したロボットゲーマー。
不亜彌魂坊: 「スターフォース」の原版カセットを奪った。
ジェネラル＝ハッカー: 国防庁のコンピュータをハッキングする。
帝苦悩坊: 不亜彌魂坊の双子の弟。
影兄弟: シャドウレーシングチームの一員。
バッファローサタン: 超LSIチップ「クイーンマリア」を奪おうとするハッカー。
ジャッカル: シャドウ＝スクールの優等生。
影村先生: コンボイたちの担任教師。
シャドウボーイズ: シャドウスクールで教育を受けた子供達。
謎の中国人ゲーマー: シャドウ最強ゲーマー軍団の一員。
柴田あきら: シャドウのエージェント。
ミスター0: シャドウ日本支部長。
ドクターオーム: コンピュータで催眠術をかける。
ミスター＝シャドウ: シャドウのトップ。世界をコンピュータに統治させようと企む。

その他

マスター: パソコン・ゲームショップ「コスモハウス」の店長。
舘さん: 関東ゼビウス選手権チャンピオン。
コン太: ケンの弟。
橋さん: ケンにスターフォースの秘密を教える。
根津: シャドウと接触し「フリークキッド」となる。
中山一: 中山博士の孫。
中山博士: 開発した新薬をシャドウに狙われる。
出留田: 影村先生によって祭り上げられた子供。
ダラ＝シン: 人知を超える力を持つ。
シャドウスクールのおちこぼれの子供達: シャドウスクールの特訓場に囚われている。
ファミキラー教団: ファミコン文化の壊滅を企む秘密結社。
加地: 「ロボットランド」のメカ主任。
太一: ハッカー＝トリトーンのパソコン通信仲間。
おトキばあさん: 占い師。ドクターオームの計画に利用される。
ハッカー＝トリトーン: シャドウ壊滅を願う謎の人物。
キラー＝クィーン: コンピュータを奪おうと企む。
* ディビット＝ホーナー: FBIコンピュータ局捜査官。

本誌掲載時と単行本収録時の違い

単行本では、一部の話がカット、もしくは再構成されています。