ファミスタ'93

ファミスタ'93の魅力

『ファミスタ'93』（ファミスタきゅうじゅうさん、Famista '93）は、1992年12月22日にナムコ（現在のバンダイナムコエンターテインメント）からリリースされたファミリーコンピュータ用の野球ゲームです。このソフトは「ナムコット ファミリーコンピュータゲームシリーズ」の第82弾として位置づけられており、ファミスタシリーズの中でも特に新しい要素が取り入れられています。

実名選手の登場とDH制の導入

本作より、日本野球機構（NPB）の公式ライセンスが取得され、実名が使用された選手や球団が登場するようになったことで、リアルな試合が楽しめるようになりました。前作までのデータを基にしているため、1992年シーズンのデータが反映されていますが、新チーム名となった横浜ベイスターズは「横浜大洋ホエールズ」として画面に現れます。また、初めてドラフト指名によって選ばれた選手が実名でプレイし、ファンにとってはとても新鮮な体験となりました。

さらに、今回からはDH制（指名打者制）が導入され、特にパ・リーグにおいて後攻チームでは自動的にDH制が適用されます。この変更により、戦術の幅が広がり、戦闘スタイルが多様化しました。

特徴的なオールスターチーム

従来のメジャーリーガーズは撤廃され、代わりに日本のプロ野球チームに属する現役の外国人選手から構成されるオールスターチーム「オールアメリカン（AAチーム）」が新たに登場しました。このチーム編成には特徴があり、他の選手との組み合わせで独特の戦術が楽しめるようになっています。興味深いことに、実際には外国人捕手が不足していたため、内野手のマーティ・ブラウンが捕手として設定されています。

また、近鉄在籍時の選手・吉田剛の打席では、ナムコの名作『スカイキッド』の曲が流れ、これは実際の試合における応援歌の使用を反映したものです。この曲は後のシリーズでも使われることになります。

モードと球場の多様性

『ファミスタ'93』では、オールスターモードが用意されており、前作のランダム形式ではなく、実際のオールスターゲームのデータを基にしています。これにより、選手が事前に設定された状態で試合を行うことが可能になり、戦略的な要素が追加されました。

ゲーム本編とは別に、野球クイズや野球カードといった楽しめるモードも搭載されており、選手データや背番号をもとに選手を当てる楽しさがあります。

球場は3種類が用意されており、それぞれ明治神宮野球場をモデルにした「じんぐうのもり」、阪神甲子園球場をモデルにした「ろっこうさん」、そして出雲ドームをモデルにした「もくぞうドーム」です。各球場には特有の距離設定がされており、試合の雰囲気が異なります。

進化したプレイヤーキャラクターとニュースシステム

選手キャラクターの体型も前作よりスリムになり、よりリアルなプレイ体験が可能になりました。また、試合結果報告はテレビのニュースからスポーツ新聞に戻され、題号も「namcotスポーツ」に変更されることで、より雰囲気のあるゲーム体験を提供しています。

『ファミスタ'93』は、その豊富な要素とリアルな選手構成により、長年にわたって多くのファンに支持され続けています。

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